御嶽海、また朝乃山止めた 踏ん張って2差!逆転V3へスタミナ勝負で再進撃
「大相撲7月場所・10日目」(28日、両国国技館)
3場所ぶりに関脇に復帰した御嶽海が新大関朝乃山に初黒星を付け、勝ち越しを決めた。大関昇進で先を越された後輩を立ち合いから攻め続け、上手投げで転がす意地の完勝劇。連敗を止めてトップと2差をキープし逆転V3へ踏みとどまった。朝乃山は新大関の初日からの連勝が9でストップ。横綱白鵬が北勝富士を一蹴し、ただ1人、無傷10連勝で単独トップに立った。1差で朝乃山、平幕照ノ富士の2人が追う。
朝乃山封じのお手本のような御嶽海の猛攻だった。立ち合い、突いて上手を許さない。強引に右差しにきた相手の上手を深く取り、回り込みながら豪快に土俵下に転がした。
7秒3、技術と気迫の詰まった8勝目だ。7連勝から2連敗で失速と思われたが、踏みとどまった。「2日間、自分の思い通りの相撲を取れず負けてしまった。きょうはしっかり自分の相撲を取って勝ちたいという気持ちが強かった。しっかり勝つことが自分の使命。(V争い?)楽しみにしてもらえれば」と胸を張った。
新大関に初黒星を付ける殊勲。3月の春場所でも大関とりの朝乃山の連勝を止め、通算5勝2敗と“キラー”ぶりを発揮する。八角理事長(横綱北勝海)も「やっぱり実力者。意地もあるんだろう。先に自分がずっと三役にいたわけだから。また気分が良くなって(相撲が)良くなっていくかもしれない」と再進撃を予感した。
大関に最も近いと言われながら、後輩の貴景勝、朝乃山に先を越された。意識は「もう、特にない」と流したが意地を見せ付ける完勝劇。再び大関とりに挑むため、今場所、2桁星はノルマになる。
4カ月の自粛期間は下半身を強化した。縄跳びを1分間連続、100回以上を3セット。気分転換も兼ねてボクシングのミット打ちも連日1時間こなした。「終盤戦、みんな多分、疲れてくる」と出稽古禁止など異例の調整だった場所前だけに波乱はあると見る。自身は「5日間くらいだったら持つ」とスタミナ勝負で逆転V3を目指す。