阿炎、引退免れた 無言入室に理事から叱責も…新婚も錣山部屋へ強制移住で“再教育”
日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で理事会を開き、コロナ禍の中、7月場所前後に接待を伴う「夜の店」に複数回通っていた幕内阿炎(26)=錣山=の懲戒処分に関して検討し、出場停止3場所と5カ月の報酬減額50%を決めた。調査に対して虚偽証言や同席した幕下の極芯道(錦戸)に口裏合わせを指示するなど悪質と判断された。1日に提出された引退届は協会預かりで引退こそ回避したが、次に不祥事なら即引退。さらに新婚ながら錣山部屋に強制移住し、更生することになった。
理事会では怒り、あきれの声が上がった。事情聴取のため理事室に呼ばれた阿炎は無言のまま。ある理事から「まず一言、『申し訳ありません』というのがないのか!!」と、いきなり叱責が飛んだ。
協会の発表によれば阿炎が7月場所前後、接待を伴う「夜の店」で遊興したのは4回。最初の聴取では回数をごまかし、さらに同席した極芯道に口裏合わせまで指示していた。
理事会で阿炎本人は「責任を感じる」と謝罪をし、土俵に戻りたい意思を示した。しかしうそをついたことの意図、感染リスクなど問われても明確に答えられなかった。理事らには「また同じことを繰り返す」と再発を不安がる声も多く2時間、処分を巡り紛糾した。
昨年11月にはSNSに不適切な投稿。今年2月の研修会では「寝ていた」発言で厳重注意を受けた。“累積警告”の上、感染予防に協会一丸、自粛中の愚行。調査したコンプライアンス委員会は「無自覚で軽薄な行為。真しな反省の情は見て取れない」と断じた。
問題発覚後、師匠の錣山親方(元関脇寺尾)は阿炎を強制休場させ1日には引退届を出した。同委員会は出場停止の上、引退届の受理を処分意見として答申。ただ理事会は引退届を受理せずラストチャンスを与える異例の“温情裁き”となった。
引退こそ免れたが引退届は協会預かり。次に不祥事なら即受理となる。秋場所から3場所出場停止なら来年春場所で幕下へ降下は確実。住居を錣山部屋に移し、師匠の監督下で半年は外出禁止となり“再教育”を受ける。
6月末には3歳下の一般女性と結婚し、子供も生まれたという話もある。一家の大黒柱として今度こそ更生するしかない。