クライミング金候補の楢崎智 さすがの首位発進!自粛中トレに手応え「成長感じた」
「スポーツクライミング・リード・ジャパンカップ・第1日」(9日、岩手県営運動公園)
リード種目の日本一を決める大会が9日、無観客で開幕した。初日は男子予選が行われ、来夏に延期された東京五輪代表に内定している楢崎智亜(24)=TEAM au=がトップで、10日に行われる準決勝進出を決めた。新型コロナウイルスにより、中止、延期が続いた中、五輪競技の日本選手権レベルの大会が開催されるのはこれが初めて。女子は10日に予選が行われる。
待ちに待った半年ぶりの実戦で、日本のエースがさっそく存在感を見せつけた。
夏とは思えぬほど冷たい雨が降り、湿度が高い悪条件だったが、楢崎智は最初のルートで出場選手中唯一の完登を果たしてみせると、続く2ルート目もきっちり1位タイの高度まで到達し、堂々の首位突破。「久しぶりのコンペ(大会)で、昨日の夜からずっとワクワクしていた。楽しかったです」と、充実感をにじませた。
コロナ禍による自粛期間中も、さらなる進化への糧とした。ボルダリングやスピードほど得意とはいえないリード。陸上トレーニングで短距離ダッシュを取り入れ、登る最中の休憩の仕方も研究し、持久力と回復力の向上に成功。「すごく成長を感じた」と手応えを口にした。
21年の東京五輪で頂点を見据える24歳。「リードが1番順位を下げる可能性がある。ここで自信をつけたい」。自らに課した壁を越え、夢への視界をまた一段階クリアにする。