日本陸連 ホクレン中長距離チャレンジの実施報告を公式サイトに掲載 今後のお手本に

 日本陸連は13日までに、新型コロナウイルスの影響で休止していた全国規模の競技会に際し、再開の先駆けとして7月に北海道内の各地で開催されたホクレン中長距離チャレンジ4大会の実施報告を公式サイトに掲載した。

 新型コロナウイルス対策の実施報告書として、実施したことを競技者およびチーム関係者、競技役員、メディア、観客、ライブ配信、大会運営、競技運営と、各項目に分けて列挙。競技者およびチーム関係者については、参加標準記録とターゲットナンバーによる参加人数の制限で、競技時間の短縮と常時競技場の滞在人数および1レースの人数をコントロールしたこと。また、競技役員やメディアを含めて、大会1週間前からの体調管理チェックシートの提出などを記している。

 また、第1戦士別大会(7月4日)、第2戦深川大会(同8日)、第3戦網走大会(同15日)、第4戦千歳大会(同18日)のうち、網走と千歳については観客を入れて開催。観客に対しては検温・体調チェックのほか、観戦エリアカードを配布し、氏名、連絡先、観戦エリア(移動した場合は移動した場所と滞在時間)を裏面に記載。声を出しての応援の自粛、食事の禁止のほか、観客席はゾーン分けをし、指定のゾーンで観戦を義務付け、芝生に2メートル四方の区画を作り、ソーシャルディスタンスを確保したとしている。

 大会運営としては、プログラム、スタートリスト、リザルトはすべてウェブで公開するなど紙の削減を図ったこと。競技運営としては自分の腰ナンバーカードは自分で取る。スタート1分前に整列し、整列次第スタート。ゴールの際はフィニッシュ地点にとどまらないように速やかに退場を促し、待機テントは設けない。種目間に2回ほど15~20分間の換気と審判交代の時間を組み込んだことなどを挙げている。

 日本陸連は4月3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、6月末まで競技会の開催を自粛。その後、国の段階的な自粛要請の緩和や経済活動の再開が見えたことから、競技会再開の先駆けとしてホクレン中長距離チャレンジ4大会の開催に至った。

 各大会には、東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾(富士通)、服部勇馬(トヨタ自動車)、同女子代表の前田穂南(天満屋)、一山麻緒(ワコール)らトップ選手も多数参加した。前田は深川大会の1万メートルで自己ベストをマーク。服部と一山は網走大会の1万メートルで自己ベストを出した。前田は士別大会で出した5000メートルの自己記録を千歳大会で塗り替え、一山は千歳大会の5000メートルで自己ベストをマーク。また、深川大会の女子3000メートルでは田中希実(豊田自動織機TC)が18年ぶりに日本記録を塗り替えるなど、好記録が続出した。

 日本陸連は「ガイドラインを周知徹底した上で実施したこの競技会運営が、今後全国で開催される競技会のロールモデルとなる大会になるよう、ここに実施報告書をお示しいたします。陸上競技に関係するすべての皆さまと共に、陸上競技再開をさらに進めていきたいと思いますので、参考にしていただければ幸いです」などとつづっており、ホクレン中長距離チャレンジの運営が、今後全国で開かれる大会のお手本として期待されている。

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