相撲協会が有識者会議、「人々を勇気づける」ことを期待 王貞治会長もリモート出席
日本相撲協会に設置された「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の第6回会合が6日、都内で開かれ、八角理事長(元横綱北勝海)、リモートでソフトバンクの王貞治会長ら8人が参加した。
コロナ禍での角界のあり方も議論。山内昌之委員長(東大名誉教授)は「大相撲は歴史と伝統をもって社会貢献していく。人々を勇気付ける何物かが必要」と話した。
7月場所前には中川親方(元幕内旭里)のパワハラ問題が起き、同場所中には幕内阿炎(錣山)がコロナ禍で「夜の店」通いをしていたことが発覚した。「そのことについては協会の方から説明。資料については私たちも得ている。全体的な相撲協会、相撲の未来に関わるものについては、次回、協会側からお話がある。協会の立場として、伝統を踏まえつつ、現状と未来にかけて、どのように問題を整理して、どのように抱えている懸案などを分析するか。まず分析。その上で私たちに意見などもある。そういうことが次回、語られると思う」と、同委員長は説明した。
王会長はパソコン画面越しに一流選手としての経験を踏まえて意見。「デッドボールの痛さを知らない者は本質は分からない。相撲の稽古の厳しさ、鍛錬もやった者にしか分からない。恐怖感を克服してみんな成長していく」と同委員長が王会長の言葉を代弁した。
会議後、会見した八角理事長(元横綱北勝海)は「守るべきは守るという思いで臨んでほしい、と。そういうのが印象に残っています。今まででなく、300年以上続いてきたのは守るところを守ってきたから。そういうのに感銘を受けた」と、伝統を受け継いでいく責任を改めて口にしていた。