羽生結弦、今季のGPシリーズ欠場 ぜんそく抱え…コロナ重症化リスク考慮

 フィギュアスケート男子で、ソチ、平昌五輪2連覇の羽生結弦(25)=ANA=が10月に開幕する今季のグランプリ(GP)シリーズ欠場を決めた。日本スケート連盟が28日に発表した。けが以外で羽生がGPシリーズを欠場するのは初めて。新型コロナウイルスによる自身の健康面や移動による周囲の感染リスク拡大、2週間の隔離期間などを考慮し決断した。

 苦渋の決断だったのだろう。さまざまな情報を精査し、自身の置かれた現状を鑑み、羽生は今季のGPシリーズを「欠場」するという英断を下した。

 理由は三つ。第一に自身がぜんそくを患っており「呼吸器系基礎疾患を有する者が新型コロナウイルスに罹患(りかん)した場合、重症化しやすいとの情報もあるので、可能な限り慎重に行動したい」と考えたためだ。

 また、カナダ在住のブライアン・オーサー・コーチが日本での大会に帯同することは困難。羽生がカナダ入りしても隔離を余儀なくされるだけに「練習など一切のスケートの活動ができないため、選手にとって万全の状態で試合に臨むことができません」とした。

 さらに「私が動くことによって、多くの人が移動し集まる可能性があり、その結果として感染リスクが高まる可能性もある」と羽生。「私が自粛し、感染拡大の予防に努めるとなれば、感染拡大防止の活動の一つになりえる」。世界中にファンの多い羽生だからこそ、自身の影響力を踏まえて選択した。

 GPシリーズは全6戦あり、例年は最大2大会を転戦する。今季は渡航制限で通常開催ができないため、各大会の出場者は地元選手や開催国に拠点を置く選手などに制限。国際スケート連盟(ISU)によると1選手1大会になるという。また、シリーズ上位選手のみが出場できるGPファイナルは22年北京五輪のテスト大会を兼ねるが、健康は何物にも代えられない。

 「一日も早く新型コロナウイルスが収束することを願っております」と羽生。退くこともまた勇気。安心して羽生の魂の舞が見られる日まで、今は我慢の時だ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス