肋軟骨骨折も出場志願…パラカヌー・瀬立モニカ、ど根性V「(けがを)誇りに思う」

 「パラカヌー・スプリント日本選手権」(13日、木場潟カヌー競技場)

 女子カヤックKL1クラスで、東京パラリンピック代表に決まっている瀬立(せりゅう)モニカ(22)=江東区カヌー協会=が1分5秒069で優勝した。1週間前の練習中に右側の肋(ろく)軟骨を疲労骨折していたと明かしたが、3連覇を達成した。

 ドクターストップを振り切っての“強行出場”で、22歳がど根性を発揮した。けがが治るまで約1カ月を見込み、日常生活にも支障をきたすほどの痛みが生じたが、9月は本来であれば東京パラリンピックが開催されていた時期とあって、瀬立は「ここに向けてこの夏はこぎ込んできたし、今できる最大限のこぎをしようと思った」と今大会への出場を志願。

 痛み止めを飲んで完走し、「自分なりに最後までこぎ切れた。久々のレースで緊張感を持って取り組めた」とうなずいた。

 脇腹をつんざく痛みは、夏場に積んできたトレーニング量の証明でもある。指導する西明美コーチが「それだけ練習できたのかな」と言えば、瀬立も「(けがを)誇りに思っています(笑)。超前向き」と快活に笑い飛ばした。

 本調子ではなく、タイムは伸びなかったものの「治るケガだし、来年の東京パラリンピックが全てなので。調子が悪くなる大会もいい経験」と照準がぶれることはない。久々にレースの緊張感を味わった東京都江東区出身の22歳は「来年は地元で東京パラリンピックが開催される。まずは開催を願って、ベストのパフォーマンスができるようにあと1年頑張りたい」とボルテージを高めた。

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