大坂なおみ 殿堂入り条件クリア エスニック調の赤ワンピ姿で喜び表現「祖先に感謝」
全米オープン女子シングルスで2度目の優勝を果たした大坂なおみ(22)=日清食品=が決勝から一夜明けた13日、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで記念撮影に臨んだ。国際テニス殿堂は同日、大坂が現役引退から5年後、殿堂入りする条件を満たしたと発表した。
記念撮影で大坂は、赤が基調の鮮やかなエスニック調のワンピースを身にまとい、トロフィーを手に喜びをかみしめた。父がハイチ出身、母が北海道生まれ。自身も3歳から米国で暮らす。ツイッターではその写真とともに「祖先に感謝したい。彼らから受け継いだ血が体中を巡り、負けるわけにはいかないと思い起こさせてくれたので」とつづった。
12日の決勝で元世界ランキング1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)に第1セットを奪われながら逆転勝ち。2年ぶり2度目の頂点に立った。同時に今大会は、人種差別への抗議マスクでも注目を集めた2週間でもあった。
理不尽な最期を遂げた黒人の名前を記した7枚のマスクを準備し、1回戦から決勝までの7試合で着用。賛否の声がある中で、議論の広がりを期待する思いを発信し続けた。
昨年の全豪オープン以来3度目の四大大会制覇は、女子の李娜(中国)を抜いてアジア勢単独最多。世界ランク1位に13週在位の条件も合わせ、国際テニス殿堂入りの資格も満たした。最終的に投票で決定するが、これまで日本人で殿堂入りした選手はいない。
この日発表された世界ランクは9位から3位に浮上。優しさと強さを兼ね備える新たな女性アスリート像を、大坂が切り開きつつある。