正代、初V&大関王手 朝乃山吹っ飛ばした!千秋楽前に単独トップ
「大相撲秋場所・14日目」(26日、両国国技館)
関脇正代が大関朝乃山を押し倒し、2敗を死守して単独トップに立ち、初優勝に王手をかけた。立ち合いの馬力で圧倒し自己最長7連勝で12勝目。千秋楽は3敗に後退した新入幕の翔猿戦が組まれ、勝てば優勝。負けても優勝決定戦となる。昇進を預かる審判部は大関昇進に関し、千秋楽に協議することを明言。13勝2敗で優勝の場合、一気に昇進の可能性も高まってきた。
正代の進撃はもう止まらない。立ち合い、ガツンと朝乃山に当たり勝つと半身にさせ一気の出足。右のど輪に力を込め、土俵外に背中からたたきつけた。
前日の貴景勝に続き、圧力でねじ伏せ出場最上位の大関を連破した。NHKインタビューでは「とてもうれしい」と声を弾ませた。7連勝でただ1人の12勝目。結びで翔猿が敗れ初の単独首位で千秋楽に臨むことが決まった。初優勝の意識に「うーん、まだですかね」と落ち着き払った。
八角理事長(元横綱北勝海)は「馬力勝ち。ちょっと想像できなかったけど。朝乃山も浮いちゃった。勝ち方が素晴らしい」と驚く強さ。土俵下の高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「真っ向勝負で好感が持てる」と絶賛。千秋楽、審判部が昇進に関し、話し合うことを明言した。
13勝2敗で優勝なら一気に大関昇進の可能性は十分にある。故郷熊本も県勢初賜杯を待望し、お祭りだ。地元宇土市内の体育館でパブリックビューイング(PV)が行われ100人が「正代コール」。勝った瞬間は密を避けてみんながグータッチで喜び合った。
宇土市後援会の金田光生会長は早くも優勝パレードと大関昇進披露宴を計画。PV会場には両親も駆け付け、母・理恵さんは涙ぐんでいた、という。正代が勝てば打ち上げる花火を今場所最多10発で前祝い。同会長は「あしたは22発」と祝砲の乱れ打ちを予告した。
熊本地震や水害にも見舞われた故郷を正代はいつも気に掛け、地元を勇気付けることを約束してきた。「あしたも思い切り相撲が取れたらそれでいい。たくさんの方に応援していただいているので、その気持ちに応えられたら」。翔猿に勝ち、いざ悲願を果たす。