宇良6勝目で十両復帰有力 ケガ乗り越え3年ぶり「本当に長かった」

 「大相撲秋場所・千秋楽」(27日、両国国技館)

 2度の右膝手術を乗り越えた幕下5枚目の元幕内宇良(28)=木瀬=が、十両の大翔鵬(追手風)を押し出し、6勝目(1敗)を挙げた。18年初場所以来約3年ぶりの十両復帰を有力とし、「本当に長かった。周りの支えで気力を失わずにやってこられた」と万感の思いを口にした。

 十両力士との対戦で久々に大銀杏を結ったが、体は忘れていたのか「所作を間違えた」。それでも勝負勘は健在。相手の懐に入ると一気の攻めで押し出した。「プレッシャーが掛かる一番だったが、この日のために努力してきた。この一番をつかめたのはうれしい」。取り組み後、感慨深げに館内を見渡しながら大きく息を吐いた。

 奇手“居反り”の使い手として関学大から角界入り。多彩な技とスピードを武器に順調に出世したが、17年秋場所に右膝前十字じん帯を断裂した。1年の休場を経て三段目で復帰するも、幕下に戻った昨年初場所に再び同箇所を断裂。一時期は序二段まで落ちた。

 腐らずにとり続け、ようやく関取復帰を見据えた人気業師。炎鵬や翔猿ら小兵の活躍が目立つが、パイオニアは「また15日間元気に動き回る相撲を見てもらいたい」と晴れ舞台での復活を誓った。

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