柔道代表の芳田司、五輪延期落胆も“笛”で憂うつ吹き消した?「ピーッと吹いて」
柔道女子57キロ級で東京五輪代表の芳田司(24)=コマツ=が30日、オンラインで取材に応じた。新型コロナウイルスの影響による五輪の1年延期が決まった直後は「ガクンときた」と落胆したというものの、「今は切り替えて(来夏)五輪があると信じて(練習を)やっています」と心境を語った。
憂うつを“吹き”消したのは、普段は手にしない楽器だった。4月からの自粛期間は自宅で自重トレーニングをしたり、過去の試合映像を見て実戦イメージを膨らませながら過ごしていたという。「家にこもるのは好きなタイプ」とはいうものの、1カ月も立てば限界。そんな折、芳田の退屈な引きこもり生活を案じた友人から唐突に贈られてきたのが、竹製の横笛だった。
「ピーッと吹いていました」。もちろん正しい吹き方など知らない。「何が正解が分からない」と適当に吹くだけだったが、癒やし効果は巧拙に左右されまい。「贈り物に愛を感じました」。平安京のあった京都市出身とあって、みやびな音色に心を躍らせた様子だ。
7月から段階的に練習を再開し、9月からは実戦形式の乱取りも始めた。2月のグランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会はけがもあって欠場したものの、充実した自粛期間もあって回復。来夏の五輪に向けても「(延期で)準備期間が延びた。いいイメージしかない」「(体の回復には)めちゃめちゃプラス」とポジティブな言葉を並べた。
五輪代表に内定しているものの、12月に予定されていたGS東京大会が中止となり、実戦の機会は当面未定の異常事態だが、「できることはたくさんある。不安はゼロ」と一蹴。「(来夏)試合があると信じて、それに向けて準備していくだけなので、1日1日を大切にして過ごしていきたい」と地道に準備を続ける姿勢だ。