小谷実可子氏 五輪組織委ディレクター「シンクロで培った笑顔とアピール力を」

 東京五輪・パラリンピック組織委員会のスポーツディレクターに就任した88年ソウル五輪シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)銅メダリストの小谷実可子氏(54)が1日、都内の組織委で取材に応じた。

 1日付でスポーツ庁長官に就任した室伏広治氏の後任。就任初日を迎え「突然の人生の変化に非常に驚いている。今回、このような形でチームの一員として大会成功のためにお手伝いできることを非常に光栄に、うれしく、身の引き締まる思いで受け止めている。前任の室伏広治さんが築いてきたIF(世界の各競技団体)との友好関係、絆をつないでより強固なものとして大会成功のために努めていきたい」と抱負を語った。

 スポーツディレクターは、アスリートの意見を大会運営全般にわたり反映させ、アスリートファーストの大会の実現を目指す。そして、大会における競技運営の幹部として、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)、各競技団体(IF、NF)、各国オリンピック委員会(NOC)、各国パラリンピック委員会(NPC)との調整を行う。また、組織委員会における競技部門の顔として、対外的な情報発信の役割を担う。

 どのようなスタンスで臨むかについて「私自身オリンピアンで、選手としては2大会(ソウル、92年バルセロナ)出場した。とにかくしっかりと持ち続けたいのはアスリートファースト。そして、東京2020の招致のときも世界にアピールして賛同いただいた、スポーツの力を知っている私たちだからこそのオリンピックなんだ、ということをしっかり中心に据えて、これから難しいこともあるかもしれないけど、何が一番アスリートのために最善なのか、アスリートが最高のパフォーマンスをするためには、ということを判断基準としてしっかり持って調整を進めていければ」と抱負を語った。

 就任にあたり、組織委の森喜朗会長からは「IOCの中にも、知っている仲間もいっぱいいるだろうから」との言葉をもらったという。小谷氏は日本オリンピック委員会理事で、世界オリンピアンズ協会の理事なども務めており「世界のスポーツ界の方とはある程度はつながっているけど、その何十倍、何百倍の方々と仕事をしていかないといけない。シンクロナイズドスイミングで培った、笑顔と明るさとアピール力を生かして努めていければなと思っている」と力を込めた。

 また、室伏氏からは「室伏さんも大変忙しい状況なのでメールでのやり取りしていた。『すごく大変だけど、力になれることがあったら何でも言ってください』という温かいメッセージをもらった」という。

 小谷氏はソウル五輪で初の女性旗手を務め、ソロ・デュエットで銅メダルを獲得した。バルセロナ五輪後に現役を引退。国連総会に民間人として初めて出席した経験も持つ。

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