時津風親方を2階級降格 松ケ根親方けん責 相撲理事会が2人を処分

 日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で理事会を開き、秋場所前、新型コロナウイルス感染予防ガイドラインに違反行動のあった年寄2人の処分を決めた。時津風親方(元幕内時津海)を委員から年寄へ2階級降格。松ケ根親方(元幕内玉力道)をけん責とした。

 時津風親方は帰省、旅館への宿泊が禁止されていた期間の9月4日、宮城県へ旅行し3密状態の居酒屋でマスクもせず初対面の者を含む第三者と飲食。翌5日、同県内で開催された不要不急のゴルフコンペに参加した。その後、地元、長崎県五島市への帰省を目的として福岡市に移動し、8日まで滞在した。

 コンプライアンス委員会(青沼隆之委員長=元名古屋高検検事)の処分答申は同親方は2010年から2011年にかけて野球賭博に絡み、2度の懲戒処分を受けており(主任から年寄へ降格し、8年間据え置き)、前歴がありながら繰り返したことを問題視。「弟子たちには外出禁止を指示しながら自身は宿泊を伴うゴルフコンペに参加。師匠としての資質に関わる問題。協会運営の主体である年寄として考えるべき最悪の事態について、みじんも考えていなかった」と厳しく断じた。

 前日9月30日には弟子の正代が部屋では57年ぶり新大関に昇進。伝達式に出席予定だったが同29日に急性すい炎のため緊急手術を受け、急きょ欠席となった。手術は成功し、入院してまずは回復に専念。退院後、八角理事長(元横綱北勝海)から処分が伝えられる。

 二所ノ関部屋付きの松ケ根親方は9月5~10日までの間に4回以上、家族と不要不急の外出を繰り返した。コンプライアンス委員会は「他の協会員が9月場所に向け一丸となって新型コロナウイルス感染対策に取り組み、原則外出禁止の窮屈な生活に耐えている中、行動の軽薄さは際立っている。一罰百戒の見地からもけん責の懲戒処分が相当」と答申。理事会で異論はなく、処分が決まった。

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