陸上・田中希実 女子1500mで初優勝 800m予選との間にオンライン授業
「陸上・日本選手権」(2日、デンカビッグスワンスタジアム)
女子1500メートル決勝で、4分5秒27の日本記録を持つ田中希実(21)=豊田自動織機TC=は4分10秒21で初優勝した。スタート後は3~4番手につけた。
600メートル付近で仕掛け、スーッと前に出た。あとはみるみると後続との差を広げ、トップでフィニッシュ。「残り900メートルあたりで仕掛けようと考えて準備してきた」と胸を張った。
異なる種目で1日2レースをこなした。午後2時50分からの800メートル予選では、7月にマークした自己ベストに0秒48差と迫る2分5秒14で全体1位となり、3日の決勝に進出した。
約5時間後の1500メートル決勝までの間に、在籍する同大のオンライン授業をこなした。「メモを取って手を動かす作業が、1500の決勝のことを考えて不安になることを忘れさせてくれたりした」と、文武両道を地でいった。
8月のセイコー・ゴールデングランプリで14年ぶりに日本記録を塗り替えた種目。昨年の日本選手権1500メートル2位の田中にとって、日本記録保持者として自身初の日本選手権タイトルがかかっていた。
この種目は卜部蘭(積水化学)が、800メートルと合わせて2年連続2冠に挑んでいた。田中も800メートルとともに2冠への挑戦がかかっていた。まずは1冠。800メートルに向けて「駆け引きを楽しみたい」とにらんだ。