ナダルが全仏4連覇「最高レベル」 全7戦ストレート勝ち!四大大会最多13度目V
「テニス・全仏オープン」(11日、パリ)
男子シングルス決勝で第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6-0、6-2、7-5で下して4連覇し、同一の四大大会最多13度目の頂点に立った。四大大会男子でロジャー・フェデラー(スイス)に並ぶ歴代最多20個目のタイトル。ナダルは1回戦から全7試合ストレート勝ちの完全制覇。全仏シングルス通算100勝も達成し、優勝賞金160万ユーロ(約2億円)を獲得した。
ナダルはまるで壁だった。左右への揺さぶりに意表を突くドロップショット、頭上を狙ったロブ…。ジョコビッチの多彩な技が全く通じない。「最高レベルのプレーができた。ここで勝つことは自分にとって全てを意味する」。赤土の王者が優勝杯を抱きしめた。
新型コロナの影響で秋開催となった大会は雨天続き。決勝もセンターコートの屋根をたたく雨音が響いた。湿気を含んだ赤土でスピンボールも威力をそがれ、高く弾まない。相手に有利との見方もあったが、鉄壁の守備で1ゲームしかブレークを許さない圧勝だった。
新しい公式球に「打感が重い」と違和感を覚えた多くの選手が、球を飛ばしやすくするため緩めにガットを張る中、34歳のサウスポーはほぼ変えなかった。大会公式ストリンガーの細谷理さんは「どんな環境にも自分を適応できる」とうなる。
「テニスをできるだけで幸せ。世界が困難な状況だということは忘れない」。異例ずくめの秋の全仏で、王者ナダルの強さは不変だった。