サーフィン 傘でソーシャルディスタンス「距離取れる」コロナ対策万全に大会開催
「サーフィン・さわかみチャレンジシリーズ鴨川」(13日、千葉県鴨川市・東条海岸)
サーフィンの国内プロツアーを管轄する日本プロサーフィン連盟が実施する特別戦が無観客で開催され、ロングボード決勝までが行われた。大会は厳重な新型コロナ感染対策下で実施され、選手やスタッフが、傘とフラットフープで“社会的距離”を取る姿が目立った。
新たな感染予防策だ。試合会場では、選手、スタッフ、報道陣に傘が配られ、移動や観戦は各自が傘を持って行った。色は白地に赤、白地に緑の2色展開。300本弱の用意があるという。さらに受付や表彰式もフラットフープを地面に置いて、距離を保って行われた。
日本プロサーフィン連盟の細川哲夫理事長は「(海は)オープンエリアなので必要ないと思われがちだけど、(距離が)近づくのも良くない。傘だとそこそこの距離が取れる」と、屋外競技ならではの対策を説明した。
“傘案”は意外な所から生まれたという。今夏「としまえん」のプールで、浮輪で社会的距離を保つ姿が報道されたことを受け、日本プロサーフィン連盟が、サーフィンでも応用できないか模索。パラソルの使用も検討したが「大きすぎる」と傘に落ち着いた。
選手の評判もいい。
ロングボードの男子優勝者の塚本将也は「使えました。傘はすごいソーシャルディスタンスが取れた」とうなずく。女子優勝者の吉川広夏は距離の空いた表彰式に「いつももっと近いので、さみしかった(笑)」としつつも、「ちょうど暑かったので、日傘として使ってました」と暑さ対策にもなったという。
社会的距離の確保に加え、感染対策を細部まで徹底している。選手が試合で着用するカラーゼッケンは一度の使用で20分以上消毒。医療スタッフも駐在し、発熱者がいた場合には、近隣の病院と連携して対応する。
14日からは五輪種目のショートボードの試合が行われる。条件付きで五輪代表権を持つ女子の松田詩野、昨年のワールドゲームズ(WG=世界選手権に相当)代表の男子の大原洋人、女子の脇田紗良がエントリー。傘で距離を取りながら試合に臨む。