サーフィン・脇田紗良が逆転V 今大会最高得点で松田との18歳ライバル対決制す!
「サーフィン・さわかみチャレンジシリーズ鴨川」(16日、東条海岸)
サーフィンの国内プロツアーを管轄する日本プロサーフィン連盟の特別戦が、無観客で行われた。東京五輪種目のショートボード女子決勝は、19年ワールドゲームズ(WG=世界選手権に相当)代表の脇田紗良(18)が15・50点で優勝。条件付きで五輪出場権を持つ松田詩野(18)は11・37点で2位だった。
白熱した18歳の同級生対決は、脇田が一枚上手だった。松田にリードを奪われた試合終盤、7本目の波乗りで深いボトムターン(技に入る前にスピードを付けること)を繰り出すと、10点満点中今大会最高得点となる9・50点をマーク。これが決め手となり、逆転優勝を果たした。
1対1の真剣勝負で波に乗る優先権をうまく活用した。高得点が出た7本目の波は、「結構奇跡ないい波」。松田も乗ろうと動き出していたが、優先権を持つ脇田が乗り、逆転。同学年で、普段から練習を一緒に行う仲だからこそ「詩野に勝ててすごくうれしい」と喜びもひとしおだ。
大会前は拠点とする千葉県一宮町から会場の鴨川市に通って練習。松田や18年WG代表の川合美乃里と行った練習試合でもトップだった。試合2日前に右足首付近の靱帯(じんたい)を痛めたが、けがを感じさせない豪快な波乗りが光った。
激戦を制した優勝に、サーフィン界のレジェンドでハワイに滞在中の父・貴之さん(48)はLINEで「おめでとう。足首早く治してね」と祝福。観戦に訪れた母・小百合さん(48)は愛娘の高得点に「びっくりした」と目を細めていた。
東京五輪に出場するためには、まず31日に開幕するジャパンオープンで松田を除いて最上位になり、21年5月のWG(エルサルバドル)の出場権を獲得する必要がある。「ジャパンオープンを優勝することで五輪にも1歩近づける。去年のように(日本)代表をまた味わいたい」。夢舞台に向け、この優勝で波に乗る。