張本智和、8カ月ぶり国際大会“魔の隔離期間”へ備えバッチリ「イメージが大事」
卓球男子で東京五輪代表の張本智和(17)=木下グループ=が25日、新型コロナウイルス感染拡大による中断から8カ月ぶりに再開する国際大会への出場前にオンラインで取材に応じた。
いずれも中国で開催される男子W杯(11月13日開幕・威海)、ファイナル(同19日開幕・鄭州)に出場予定で、近日中に出発する。現地の感染対策で入国時8日間の完全隔離などの措置がとられるが、来夏の五輪に向けたシード権死守のために出陣する。
異例の遠征となりそうだが、特にネックとなるのが入国時の完全隔離だ。8日間は1人でホテルの自室にこもりっきりとなり、練習もできないという未体験の1週間となる。海外選手にとっては“魔の時間”となりそうだが、試合映像を見たりラケットの素振りをして過ごす予定といい「(実戦を)イメージすることが大事。8日間でしっかり素振りをやってフォームを忘れないようにしたい」と入念にシミュレーションしながら感覚を補う。
また、隔離中は食事も自室に運ばれる形式で自由に取れない見込みだが、カップ麺を持参する。「豚骨系(の味)が好きなので、特に今回はこだわって持っていく」とお気に入りを厳選して士気を高めるプランを明かした。ちなみに、試合のない期間中は、刑務所を舞台にした米国の連続ドラマ「プリズン・ブレイク」を見ることにハマったというだけに、部屋に“拘束”される隔離期間中への疑似的なイメージもバッチリといった様子だ。
国際卓球連盟(ITTF)主催の公式戦にもかかわらず、最大のライバルである中国選手は自国で自由に練習できるのに対し、海外選手にとってはあまりに公平性を欠く不利な状況となるが、五輪シード争いに直結するポイントが懸かるだけに出場を決意した。
日本のエースは「不安はあるが、楽しみの方が大きい」と8カ月ぶりの公式戦に胸を躍らせ、「出る以上は優勝を目指すし、今まで以上に1試合1試合を大事にして感覚を取り戻したい」と力を込めた。