正代いざ大関初陣 らしさ全開の“弱気発言”連発「勝ち越せたら…」
「大相撲11月場所」(8日初日、両国国技館)
初日を翌日に控えた7日、新大関正代(29)=時津風=の緊張は最高潮に達した。両横綱不在で地位の責任が増す中、「勝ち越せたらいい」などと弱気発言を連発。心配になる一方で、これぞ“ネガティブ男”の本領発揮!?らしさ全開に大関初陣に臨む。この日は秋場所の優勝力士として両国国技館で優勝額の贈呈式に参加した。
正代もファンの大ヒットアニメ「鬼滅の刃」風に言えば、「ネガティブの呼吸」が発動された。電話取材に応じ、緊張感を問われると、「日に日に大きくなっていく気がします」と小声で応じた。
白鵬、鶴竜の両横綱不在にも「(気持ちは)いつも通り」と淡々。3大関が優勝争いを引っ張る責任には「始まってみないと」とポツリ。目標は「ケガもなく勝ち越して終われたらいいかな」とトーンは上がらなかった。
貴景勝、朝乃山の2大関が出場最上位として自覚を口にしたのとは対照的。ただ、これが正代流だ。十両昇進時に「誰とも当たりたくない」と弱気発言で話題になった。番付を上げ、徐々に強気なコメントも目立ってきたが、これが本来の姿!?大関デビュー戦に自然体とも言える。
大関、横綱は自家用車で国技館に出入り可能ながら“徒歩通勤”を明言。部屋から約10分、体を温めるためにも歩く。異例の“庶民派”も正代らしさだ。
この日、贈呈された優勝額は国技館の天井付近に飾られる。「近くで見ると大きかった。今でも正直、信じられない」と感激した。
贈呈式で並んだ同い年の照ノ富士には「正直、負けたくない気持ちはある」とライバル心。年間最多勝争いではトップの45勝。「そういうのがついてきたら」と初タイトルも控えめに視界に入れた。