トライアスロン上田藍が37歳最年長V「五輪晴れやかに」17歳との一騎打ち制した
「トライアスロン・日本選手権」(8日、東京お台場海浜公園周辺)
女子は、五輪3大会連続出場の上田藍(37)=ペリエ・グリーンタワー・ブリヂストン・稲毛インター=が57分35秒で4年ぶり6度目の優勝を果たした。37歳での優勝は大会最年長記録。今年は新型コロナウイルスの感染防止を考慮し、通常の距離(51・5キロ)の半分であるスプリント・ディスタンス(25・75キロ=スイム750メートル、バイク20・6キロ、ラン5キロ)で行われた。
最大の課題であるスイムで先頭集団に食らいついた大ベテランは、バイクに移行するときに「勝ちパターンに持っていける」と確信したという。コロナ禍の影響で距離が半分になり「勢いのある若手選手とのスピード勝負になると思っていた」との読み通り、最後のランは17歳の中嶋千紗都(山梨学院高)との一騎打ちとなった。
相手の呼吸をうかがいながら、ラスト1週でスパートを懸けた。最後の駆け引きは、いつもなら沿道の歓声で相手との距離を測るが、感染対策で観客が声を出せないためわからない。「(沿道の)拍手が鳴るのと止まるのとで(相手との)だいたいのタイム差を感じながら、最後の最後まで気を抜かずに走り抜けました」。経験の差で高校生を振り切り、16年以来の日本一を奪還した。
五輪会場でもあるお台場で健在ぶりを示した。「来年7月27日に五輪が開かれる。コロナの状況が収まって、多くの人たちと五輪を晴れやかに迎えられるような世界になっていることを願う」と祈りを込め、「いいレースをできるように仕上げて、メダルをつかみ取りたい」と自身4度目の大舞台を見据えた。