伊藤美誠、世界3位・孫穎莎に2-4苦杯 8カ月ぶり「命がけ」国際大会は3決へ

 「卓球・女子W杯」(10日、威海)

 準決勝が行われ、世界ランク2位で東京五輪代表の伊藤美誠(20)=スターツ=は、同3位の孫穎莎(20)=中国=と対戦したが、2-4で敗れた。新型コロナウイルスの影響による中断を挟み、8カ月ぶりの国際大会は3位決定戦にまわった。

 過去2勝5敗で、何度も接戦を演じてきた同い年のライバルとの約1年ぶりの対戦。伊藤は新しいとみられるサーブで崩しながらも、中国次世代エースと呼び声高い孫穎莎の強く、速く、的確にコースを突いてくるボールに押されて苦杯を喫した。

 第1ゲームは10-12、第2ゲームは8-11、第3ゲームは6-11と続けて落として崖っぷちに。第4ゲームは劣勢から追いつき12-10でもぎ取ると、第5ゲームはいきなり6連続ポイントを決めるなど4-11と圧倒。しかし、第6ゲームは4-11と奪われて力尽きた。

 3月のカタール・オープン以来、自身246日ぶりの実戦となった前日は、1回戦は世界ランク16位の田志希(韓国)を4-1で下し、準々決勝は同27位の陳思羽(台湾)を4-1で勝利。来夏の五輪に向けて幸先のいい再スタートを飾り、「すごく久しぶりの大会で、試合をできてすごくうれしい」と喜びをかみ締めた。

 今大会に向けては、開催地である中国政府の方針で、日本などの海外選手は渡航後10日ほどの完全隔離や、専用バスによる長距離移動など厳しい条件が課された。獲得ポイントが五輪のシード争いにも直結するだけに伊藤は出場を決意したが、大会の情報が二転三転していただけに、約3週間前の出発の際には「命がけで行くみたいなもの」と覚悟を明かしていた。

 伊藤はこのまま中国に滞在し、次戦のファイナル(19~22日、中国・鄭州)への出場を予定している。

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