柔道・阿部詩、新入生歓迎でピカソの“金言”引用「できると思えばできる」五輪へ奮起
柔道女子52キロ級世界女王で東京五輪代表の阿部詩(20)が15日、東京・世田谷区で行われた日体大の入学式に出席し、在校生代表として歓迎のあいさつを行った。
同式は新型コロナウイルス感染拡大で4月から延期となっていたが、今夏の東京五輪も1年延期となっただけに「私自身も金メダルという目標を達成できず大変複雑な思いで過ごしている」と吐露。その上で、最近知ったという画家パブロ・ピカソの言葉「できると思えばできる。できないと思えばできない。これは揺るぎない絶対的な法則である」を引用しながら、「私はこの厳しい状況に負けることはない。目標が達成できなかったからと言って諦めることはしない。皆さんも屈することなく、貪欲に前進を続けて下さい」と、自身にも言い聞かせるようにエールを送った。
柔道界では、コロナ禍で中断していた国際大会が10月のグランドスラム(GS)ブダペスト大会(ハンガリー)で再開。日本勢は参加しなかったが、52キロ級では昨年のGS大阪大会決勝で阿部を破っている世界ランク1位のブシャール(フランス)が優勝した。阿部も結果をチェックしたといい「やっぱりブシャール選手がしっかり優勝していたので、私も頑張らないと」とライバルの健在ぶりに気を引き締めた。
また、48キロ級世界女王のビロディド(ウクライナ)も同大会の52キロ級に電撃参戦し3位となったが、「コロナの影響で体重調整ができなかったのかなと。たぶん東京五輪までは48キロ級だと思うので、そこ(ビロディド対策の必要性)はあまり頭にないです」と見解を明かした。
阿部自身は、12月のグランプリ(GP)ザグレブ大会への出場を希望していたが、欧州での新型コロナ感染再拡大により中止となり、2月以来となる実戦予定は白紙。「ザグレブへの気持ちを整えている中での中止で少しショックだったが、そういうこともあるだろうと思っていたので、次の大会に向けて準備していきたい」と前を向いた。