森喜朗会長、抵抗されても開会式縮小に執念「こだわっている」IOC「変えたくない」
国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)と、東京五輪・パラリンピック組織委員会は18日、事務折衝を終え、合同記者会見を行った。
来日中、菅総理、小池都知事らと面会し、来夏の大会開催を強調したIOCのトーマス・バッハ会長がこの日、帰国。森会長は「バッハ会長は必ず(五輪を)実現するとおっしゃってくれた。大変心強い」と、話した。
会見の中で、IOCと組織委に思いのズレを感じさせたのが開会式の問題だ。原則2メートルの社会的距離が必要とされる中で、多くの選手が入場行進をする開会式の規模をどうするか。
IOCのコーツ調整委員長は「我々は伝統をあまり変えたくない。すべてのアスリートに行進の機会を与えたい」と話した一方で、森会長は「東京大会の最大の関心事となるテーマだ」と、強調。「コーツ委員長は『選手にとって行進は彼らの権利。奪うことはできない』とおっしゃる。私もそう思うが、しかし、安全安心な大会に向け、みんなが努力している中で、アスリートにもある程度我慢してもらわないといけない」とした。
その上で、「今までと違うものになるだろうし、そうならないといけない。簡素化で300億を削っても少ないと言われる。従来と違うものを示せるとすれば開会式の行進。私はこだわりを持っている。アスリートに聞いてみればいいと思う。この状況の中で『行進させろ』『出してくれ』というのか。従来から優勝やメダルを狙う選手は、出ない人が多い」と、開会式の縮小への並々ならぬ意欲を見せた。
森会長は以前、開会式の縮小や時間短縮に言及したものの、放映権の問題からIOC側が難色を示したことを明かしていた。開会式について、バッハ会長は前日17日に開会式が行われる国立競技場を視察した際、「開会式はアスリートにとって本当に意味がある。人生にとっても、非常にいい経験になる。本当にいい経験だったと思ってもらえるセレモニーを担保したい」と、規模縮小には否定的な見解を示していた。