貴景勝「無心になって、挑戦になって」決定戦制し11場所ぶり2度目V 来場所綱とりへ

2度目の幕内最高優勝を果たした貴景勝(奥)は八角理事長から天皇賜杯を受け取る=両国国技館(撮影・中田匡峻)
2年ぶりの優勝を決めた貴景勝=両国国技館(撮影・伊藤笙子)
NHK・沢田石アナウンサー(左端)を距離を空け、優勝インタビューに応じる貴景勝(右端)=両国国技館(撮影・中田匡峻)
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 「大相撲11月場所・千秋楽」(22日、両国国技館)

 大関貴景勝(千賀ノ浦)が小結照ノ富士(伊勢ケ浜)との優勝決定戦を制し、11場所ぶり2度目、大関では17年初場所の稀勢の里以来、22場所振りの優勝を決めた。

 「大関に上がってからあまりいいことなくて、精神的にももう一踏ん張りしなきゃいけないなと思っていて、こういう結果になったことを嬉しく思っています」。優勝インタビューで大関に昇進して初の優勝をかみしめた。

 優勝を決めた瞬間、険しかった表情が緩んだ。「ひとりで優勝できなかったし。自分が調子が悪いとき、どんな時でも守ってくれた千賀ノ浦親方、おかみさんを始め、皆さんのサポートのおかげでこういう成績。感謝の気持ちでいっぱいです」と周囲への感謝を口にした。

 優勝をかけた結びの一番は照ノ富士との直接対決にあびせ倒しで敗れた。切り替えて臨んだ優勝決定戦では、顔を紅潮させて土俵に上がった。立ち合いから迷いなく前に出た。大きな相手を下から突き上げるように突き押した。一方的に、そのまま押し出した。

 「(本割では)自分なりに集中して臨みましたが力及びませんでした。無心になって、挑戦者になって、新弟子のころから目指していた何も考えず強くなりたかった自分を思い出してぶつかりました」と明かす。優勝決定戦までの時間に切り替えた。「本割で負けてますんで、自分の相撲を取りきって臨んで負けても自分が弱いだけなので、来場所強くなればいいと思って上がりました」。開き直って優勝を決める一番に臨んだ。

 両横綱不在、一人大関となった場所で責務を果たす優勝。初優勝した18年九州場所の13勝にならぶ勝利数で重責を果たした。そんな状況にも「ケガをしたくてする人はいない。自分も新大関でケガをしましたし、なかなか思い通りにいかないこともあるので。その中で自分は万全で出場できましたので、お客さんの前でいい相撲を見せることだけ考えてやりました」と振り返った。

 来場所は綱とりもかかる。「小学校から相撲をやってきて、毎日強くなりたいと思ってやってきた。2カ月間一生懸命やって、強ければ勝てるし弱ければ負けるので、自分と向き合ってやっていきたいです」。己の信じる道を、まい進するのみだ。

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