大鵬の孫が新十両!納谷改め王鵬 角界の王道へ「一番上を目指している」
日本相撲協会は25日、東京・両国国技館で大相撲初場所(21年1月10日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、史上2位の優勝32回を誇る“昭和の大横綱”大鵬(故人)の孫、納谷改め王鵬(20)=大嶽=の新十両昇進を決めた。父は元関脇貴闘力で“親子三代”での関取。祖父の1字を継ぎ、王道を歩み、横綱を目指す。白石改め東白龍(24)=玉ノ井=も新十両に昇進。再十両は矢後(尾車)と竜虎(尾上)。
大鵬を追う決意がみなぎった。納谷改め王鵬は「祖父の『鵬』の字をいただいて、すごくうれしい。名前は格好いい。見合った人間になれるように頑張ります」と意気込んだ。
新しこ名は師匠・大嶽親方(元十両大竜)の長年の夢。王鵬がわんぱく相撲に出ていた頃から、納谷兄弟が力士になった際のしこ名を考え「勝手に付けて温めていた」という。
親方は自身の師匠だった大鵬親方と王鵬を重ねてきた。「大鵬に似た名前をと考えて。風貌が王鵬という感じ。我が道を行く。どっしり落ち着いている」と祖父のように王道を歩み、角界の王となれ-との願いを込めた。
王鵬の原点も大鵬だ。幼少期、祖父の現役の映像を見て「相撲の格好よさを感じたのは、おじいちゃん。今でも格好いい」とあこがれた。会見後は祖父の墓前に「十両に上がりました」と報告する予定で、「頑張れよって言われると思う」と感慨をかみしめた。
“親子三代関取”は祖父に元横綱琴桜、父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)を持つ現幕内琴ノ若以来。横綱を継ぐ者として常に注目を浴びてきた。「(祖父に)見劣りしないように頑張りたい。一番上を目指している」と、夢はもちろん祖父と同じ横綱だ。
同学年のライバル、琴勝峰(佐渡ケ嶽)と豊昇龍(立浪)は幕内で活躍する。「テレビの遅い時間帯で一緒に相撲を取りたい」と来年は対戦が目標だ。
化粧まわしは祖父の故郷、北海道弟子屈町から贈られる。師匠によれば同町の屈斜路湖、摩周湖がデザインされた逸品になる。