全柔連、国内初のブルー柔道衣導入を決定 講道館杯でのミス契機に画期的転換
全日本柔道連盟(全柔連)は3日、理事会を開催し、国内大会では導入を見送ってきたブルー柔道衣について、全日本選抜体重別選手権、講道館杯全日本体重別選手権の2大会で初めて導入することを決めた。来年度から採用する。画期的な決定だが、視認性を高めることが目的で、中里壮也専務理事は「白柔道着だけでやるより(審判員が)はるかに判定しやすい。見てる方にもわかりやすい」と説明した。
白柔道衣同士の対戦よりも見分けがつきやすい青色のカラー柔道衣は、国際柔道連盟(IJF)が1998年から導入。2000年シドニー大会以降の五輪でもおなじみとなるなど、国際大会ではブルー柔道衣が既に定着している。16年には全日本学生柔道連盟が、国内学生大会でのブルー柔道着を導入。しかし、その後も全柔連は国内大会での使用を認めず、従来通り白色柔道衣のみで争い、対戦者は赤帯と白帯で識別していた。
転換の契機となったのは大会でのミスだった。今年10月31日に行われた講道館杯の男子60キロ級決勝において、技を掛けた選手と掛けられた選手を見誤るミスがあり、それを発端に不明瞭な裁定が続いたことから大きな混乱が発生。大会後、連盟内の審判委員会、強化委員会、アスリート委員会ら4委員会が協議し、大会運営上のミスを認めた上で、両者を優勝とすることや、審議後の場内アナウンスを導入するなど6つの提言が出された。
再発防止策の1つとして、国内大会におけるブルー柔道衣導入も提案されていたが、常務理事会、理事会を経て正式に決定した。現時点ではあくまで国際大会への代表選考を兼ねる2大会に限られるものの、これまでの忌避感を打破し、競技性を優先する画期的な決定となった。
また、丸山城志郎(ミキハウス)と阿部一二三(パーク24)が一騎打ちで争う、男子66キロ級の東京五輪代表決定戦(13日、東京・講道館)でも青色のカラー柔道衣が採用される。