「陸上・日本選手権長距離」（４日、長居陸上競技場）

　女子５０００メートルが行われ、すでに東京五輪参加標準記録（１５分１０秒００）を突破していた田中希実（２１）＝豊田自動織機＝１５分５秒６４で優勝し、東京五輪代表に内定した。陸上のトラック、フィールド種目では男女通じて第１号の内定者となった。

　同じく標準記録を突破していた広中璃梨佳（２０）＝日本郵政グループ＝は１５分７秒１１で２位だった。

　比較的落ち着いたペースとなった序盤、広中が２番手、田中が４番手で周回を重ねた。残り２５００メートルで広中がトップに出ると、田中が２番手でピッタリとマーク。五輪切符を懸けたし烈な争いは、ラストチャレンジ一周のバックストレートで田中が仕掛けて前に出ると、最後は振り切って、ゴールを駆け抜けた。

　わずか１秒５差で五輪を逃した広中は、ゴール後は田中と抱擁。直接思いを伝え、そして涙した。

　「負けてすごい悔しいです」。

　中盤からレースを引っ張り、最後は差しきられる結果となったが「相手は気にせず、自分のペースで押していこうと思っていた。悔いはない。まだまだ弱いと感じた」とキッパリ。今後に向けて「世界を見据えて世界と戦えるように。来年６月の日本選手権では一段と強くなった広中璃梨佳をおみせできるように頑張りたい」と、誓った。