五輪延期でIOCロイヤリティ追加徴収を免除?森喜朗会長ご満悦「大変ありがたい」
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が4日、都内で取材に応じ、新型コロナウイルスに伴う1年延期決定後の大会増収分については、国際オリンピック委員会(IOC)が開催都市から徴収する7・5%のロイヤリティ(商標使用料)を免除する見込みであることを明らかにした。前日にIOCバッハ会長とリモート会議を行って確認したといい、「バッハ会長からは『ワンチームとなって大会成功に向けて協力する』という強い決意表明とともに、『追加のロイヤリティは徴収しない』と大変ありがたい発言をもらった。(免除は)IOCが始まって以来のことだと思う。感謝したい」と話した。
組織委は、大会延期に伴う保険金収入や、大会スポンサーからの追加拠出によって、約760億円の増収を見込んでいるものの、IOCから追加のロイヤリティを徴収される可能性も残っていた。免除を巡ってはIOC理事会でも賛否が分かれたというものの、要望してきた大会組織委の武藤敏郎事務総長は「(増収努力で)確保したのに、7・5%とはいえIOCに払うことは納得いかない話。時間はかかったが、最後はバッハ会長の決断で免除すると。金額というより、IOCもそういう気持ちで東京大会をサポートしたいという意味合いが重要」と話した。
また、森会長は“ワンチームマスク”による効果を強調した。この日着用していた赤と白のマスクは、19年ラグビーW杯の日本代表ジャージーを裁断して特別につくってもらったものだといい、「今週はずっとこのマスクをつけている。『ワンチームでやりなさいよ』と(いう意味で)」。バッハ会長とのリモート会議の際にも着用していたといい、「それでバッハさんも『ワンチームでやりましょう』と言ってくれた。このマスクが効果を表したということ」とご満悦だった。
この日は、大会延期に伴う総額約2940億円の追加経費の負担額について、大会組織委、政府、東京都による三者会議を都内で開催。組織委が1030億円を負担する他、コロナ対策を中心に政府が710億円、都が1200億円程度をそれぞれ負担することで合意した。