五輪内定の新谷仁美 アフリカ勢を「ギャフンと言わせたい」勝利へのビジョン語る
陸上の日本選手権長距離種目で優勝し、東京五輪代表に決まった男女3選手が大会から一夜明けた5日、大阪市内で記者会見した。女子1万メートルを30分20秒44の日本新記録で優勝し、2大会ぶりの五輪代表に内定した新谷仁美(32)=積水化学=は、長距離で世界を席巻するアフリカ勢を「どうしてもギャフンと言わせたい」と力強く宣言した。
従来の日本記録を28秒45と大幅に縮めた新谷。それでも世界との差は歴然だ。「結果は素直に喜んでいるが、自分は30分20秒で世界は29分前半。300メートル、へたしたら(トラックの)1周前にいると想像すると、現実的には無理だと思われる」と冷静に分析する。
一方で、厳しい現実だからこそさらに闘志もわき上がる。「トラックの長距離はアフリカ勢。日本人は無理だと思われるが、私はどうしてもギャフンと言わせたい。日本人でもやれると証明したい」と力強く語った。
ビジョンは明確にある。アフリカ勢はラスト1周でも驚異のスピードを保つため「1500、3000メートルをしっかり克服しなければ、世界のスピードにはついていけない」と言う。同時に「マラソンやハーフマラソンで後半のスピードの変化に対応できる足をつくる」と、09年名古屋ウィメンズ以降は距離を置いていたマラソンも視野に入れる。また「力まずにトップ選手の背中を追えるような精神的な力をつけていきたい」と臆さず攻める強さも課題に挙げる。
当然のように「5000メートルで代表を狙います」ともう1つの代表の座も見据えた新谷。すべてに貪欲に、自らの心身を追い込んでいく覚悟だ。