関学大3連覇!悪質タックルから2年7カ月…因縁の日大撃破にQB奥野「恩返しができた」

 ミルズ杯を獲得し、仲間たちに囲まれ笑顔を見せる関学大・奧野(中央)
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 「アメフト・甲子園ボウル、関学大42-24日大」(13日、甲子園球場)

 関学大(関西)が日大(関東)を42-24で下して3連覇を果たし、史上最多の優勝回数を31度に更新した。第4Q序盤に7点差に迫られても、QB奥野耕世(4年)が24ヤードTDパスを決めて突き放した。甲子園ボウル最優秀選手にはランで123ヤードを獲得し、3TDをマークした三宅昂輝(4年)が輝き、敢闘選手は日大のRB川上理宇(4年)。奥野は年間最優秀選手に贈られるミルズ杯を2年ぶりに獲得した。関学大は21年1月3日の日本選手権、ライスボウル(東京ドーム)で社会人王者に挑戦する。

 勝利を決定づけるパスだった。第4Q5分過ぎ、QB奥野がゴール前24ヤードから右サイドぎりぎりを狙ったパスをWR糸川幹人(2年)が捕球し、この日チーム5つ目のTD。キックも決まって35-21と差を広げ、相手の反撃への気力をそぎ落とした。

 終わってみれば42-24の圧勝劇。宿敵日大を下してチームを3年連続の甲子園ボウル制覇に導いた奥野は「勝って日本一になれて素直にうれしい。お互いが本気でぶつかって、いい試合ができた」と振り返った。

 圧倒的な攻撃のリズムを生み出したのも、冷静な司令塔の勝負強さがあってこそ。5本目のTDの直前も、ロングゲインが反則で罰退するなどして迎えた第3ダウン残り10ヤードでエースWR鈴木海斗(4年)に中央への37ヤードパスをヒットさせて一気に敵陣へ。再びパス失敗やQBサックで追い込まれたが、今度も第3ダウンで鈴木へのパスで前進。糸川へのTDパスにつなげてみせた。

 大村監督も「奥野は前(関西決勝の立命大戦)よりもまたよくなった。落ち着いて判断できていた。立命大戦は『えらい緊張していた』と言ってたけど、きょうはさらによかった」と褒めちぎった。

 2年生だった18年春の日大との定期戦で悪質タックルを受けた奥野は、“被害者”として執ような注目にさらされて精神的に追い詰められた。「あのときいろんな人に支えられた結果、こうやってアメフトを続けられた。元気に日大と試合をすることで、ある意味、恩返しができたかな」

 学生生活最後の試合、社会人王者と対戦する年明けのライスボウルでは、相手が富士通になればDLで活躍する宮川泰介と相まみえる。「今、言われて知った。対戦できたらいいなと思う」。目の前にどんな相手がいようとも、チームを勝利へ導くQBの役割を全うする。

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