五郎丸「残り1シーズンを戦う体力、気力しか…」 プロ入り時決意「35歳引退」全う

 ラグビーの元日本代表で、来年1月開幕のトップリーグ(TL)のシーズンを最後に現役を引退するFB五郎丸歩(34)=ヤマハ発動機=が16日、静岡県浜松市内で記者会見を行い「32年間、全力で走り抜けてきた。私には残り1シーズンを戦う体力、気力しか残っていない」と決断の理由、ラストシーズンに懸ける思いを語った。

 日本にラグビー人気の土台を築いたスターにジャージーを脱ぐことの迷いはなかった。

「3歳で始めたラグビー選手を終えることのさみしさはあるが、32年間全力で走り抜けてきた。私には残り1シーズンを戦う体力、気力しか残っていない」

 五郎丸は「22歳で(ヤマハと)プロ契約した時に、35歳まで第一線で戦い抜くと決意した。その気持ちは変わらなかった」と説明。「気力が衰え、35歳で退くことが自分にもチームにとってもベスト」と理由を語った。

 現役生活は、けして順風満帆ではなかった。早大2年時の05年に日本代表に初選出されながら07年、11年のW杯出場はかなわなかった。15年イングランド大会でやっと念願の初出場。「心に残っている試合の一つ」とした南アフリカ戦ではW杯1試合の日本歴代最多となる24得点を挙げ、歴史的勝利に貢献した。

 W杯から帰国後は、キック前のルーティン「五郎丸ポーズ」が話題となり、ラグビー人気に火を付けた。ただ、五郎丸1人に注目が集まることに「ラグビーはみんなが仕事を全うして勝利を目指すものなので、違和感があった」と当時を振り返る。それでも、今となっては「ラグビーの魅力を広めるのが使命と感じてやってきた」と話し、ファンの応援に感謝した。

 そんな“ラグビー伝道師”は引退後については「白紙」とまだ決めていない。まずはラストシーズンに向け「状態はばっちり」と自信を見せ、「切磋琢磨(せっさたくま)してヤマハでレギュラーを取る」。来年3月に35歳を迎える五郎丸が、日本のラグビーファンに最後の勇姿を焼き付ける。

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