五輪開閉会式演出白紙に 演出チーム解散の野村萬斎氏悔しさ滲む「苦渋の決断」

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は23日、来夏に延期された東京大会の開会式・閉会式の演出について、狂言師の野村萬斎さん(54)を統括とする総合演出のチームを解散し、これまでパラリンピックの式典を統括していた佐々木宏氏を総合統括とした新チームで演出を検討していくことを発表した。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、式典の簡素化を見据える中で決定。これまでの演出プランは事実上白紙となった。この日、都内で会見した野村萬斎氏は「こういう状況になり、スタッフに対して断腸の思いではありますが、感謝を申し上げたい。様々なことに迅速さが求められ、機動力、効率を上げることが最優先であることは私も同意している。佐々木さんが我々クリエイティブチームが積み上げてきた日本から世界への発信を受け取って、十分に発揮してくださると思う。日本からのメッセージを佐々木さんに託します」と、話した。2年以上かけて作り上げてきたものが白紙に。「7人とも納得している」と話しつつも「作り上げてきた段階で白紙というか…。ただ、佐々木さんにお任せするなら邪魔になってはいけない。苦渋の決断。シンプルにコロナに対する対応として私たちも納得している」と、悔しさも滲んだ。

 武藤敏郎事務総長は「社会情勢の変化や簡素化を考える中、ゼロベースで見直しを進めてきた。限られた時間の中で、迅速、効率的に進めるため、新たな体制構築が必要だった」と、説明した。

 18年7月に発表された野村萬斎さんのチームは、佐々木氏のほか、映画監督の山崎貴氏、振付家のMIKIKO氏、歌手の椎名林檎氏、映画プロデューサーの川村元気氏ら7人で構成されていた。

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