貴景勝“勝負の綱とり場所”も「いつもと同じ番付発表」 クリスマスも「いつも通り」

 「大相撲初場所」(1月10日初日、両国国技館)

 日本相撲協会は24日、初場所の番付を発表し、自身初の綱とりに挑む大関貴景勝(24)=常盤山=が両国国技館でオンライン会見した。

 大勝負の場所へ向け「変わらず一生懸命にいい成績を残したい。先場所と変わらない。今場所に限って何かいつもより、というのはない。毎場所、大事にやってきている。いつもと同じ番付発表」と、言い切った。

 18日から3日間参加した合同稽古では大関朝乃山(高砂)、横綱白鵬(宮城野)らと真剣勝負を繰り広げた。「肌を合わせて感じる部分は多い。感覚を頭に入れて実戦で高めていけたらと思う」と収穫は大きかった。初日ヘ向け、基礎運動で再び体をつくり、部屋で実戦を重ねていく。

 身長175センチは幕内では決して大きくはない。その体で相撲を始めた時から、ひたすら押し相撲を磨いてきた。幼少期より父と二人三脚で目指した横綱へ、ついに挑む。

 「感謝してやるしかない。全員が経験できることじゃない。経験することは人生の糧になる。伸び伸びとやっていく」とうなずいた。

 15日間、精神面も自身との戦い。「集中しきることが大事。闘争心だと思う。一番は勝ちたいと思うこと。負けたらどうしようじゃなくて勝ちたいというのが大事。土俵に上がるのは1日せいぜい5分、10分。1日の集中力を高めて臨めたら。集中していって負けたら自分の実力が足りない。もう1回やればいい。力を出し切ることが大事」と話した。

 11月場所で2年ぶり2度目の優勝(13勝2敗)を果たし、初場所では13勝以上の連続優勝が昇進の目安。すでに千秋楽まで力を出し切る方策を描く。「簡単じゃない。最後の目標の中に細かい目標設定をしていって。初日は初日、2日目は2日目と細かい設定をして最後に目標に近づけると思う」と独特のプランを明かした。

 この1年は上半期は苦しみ、下半期で復活と激動だった。左膝を負傷し、無観客となった春場所では負け越し。秋場所、11月場所と12、13勝を挙げて、初の年間最多勝にも輝いた。コロナ禍の中、通常とは違う状況で自身を見つめ直したのが大きかった。

 「自分は押し相撲でいろいろな応用を考えていた」と言うが、自粛期間で気付いた。「応用、応用じゃなく単純に押しの強さを考えた」と、そこから基礎運動の量を増やし、もう1度、押し自体を強くすることに取り組んだ。

 今年を振り返り「見つめ直した1年」と言う。「去年、ケガが多くて自分がダメだからケガする。自分の押し型、攻撃の仕方が間違っていたからケガをする。相撲人生をどう見るかを考えてケガの取り組み、相撲の取り組みを考えた1年、気付けた1年」と相撲人生でも転機となった。

 千賀ノ浦部屋から初場所は常盤山部屋所属になり新たな気持ち。「新しい名前になって新しい年で迎える。(来年も)いいことも悪いこともある。悪い時は精神的に伸びるし、いい時はそれが続くように。部屋を盛り上げるようにやっていく」と誓った。

 綱とりへのプレッシャーを問われると「全くなくて、自分の力がどうかっていうしか思っていない。弱ければまた強くなるしか上に上がる方法はない。力を出し切りたい」と、自然体で臨むだけ。

 プライベートでも11月場所前、元大関北天佑(故人)の次女で元モデルの有希奈夫人と結婚。見事に新婚Vを愛妻に届けた。クリスマスイブの過ごし方を問われると「いつも通り。変わったことはない。(チキンも)食べていない。(ケーキも)食べていない」と、初場所へ向け集中した。

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