ラストイヤー本田太一が涙 今季最高マーク「ヨッシャー!」妹真凜も出場の全日本

男子SP、演技後に涙する本田太一(代表撮影)=25日、長野市ビッグハット
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 「フィギュアスケート・全日本選手権」(25日、ビッグハット)

 男子ショートプログラム(SP)が行われ、今季限りでの現役引退を表明している本田3姉妹の兄、本田太一(22)=関大=は67・86点と今季最高得点をマーク。演技後は感極まって涙する場面もあった。大学卒業後は就職することが決まっており、現役最後の全日本には真凜(19)=JAL=とともに出場している。

 こん身の演技だった。冒頭のトリプルアクセルで着氷すると、右手を大きく突き上げた。続くフリップ-トーループの連続3回転でも着氷後に右手を掲げると、最後の3回転ルッツを降りた瞬間は両手でガッツポーズを繰り出した。演技後も「ヨッシャー!」と雄たけびを上げ、両手で顔を覆ってこみ上げる思いをかみしめた。

 キスアンドクライでも涙が止まらなかった。太一は「最後の全日本ということでいろいろ気持ちがこみ上げた。全日本のSPは、ジュニアから派遣してもらったときにはいい演技をしていたが、シニアでは納得のいく演技を3、4年できてなかった」と振り返った。大きなミスはなかったこの日の演技も「冷静に見れば、点数に表れているように取りこぼしまくり。ジャンプを降りただけ」と言う。それでも、持てる力を出し切り「本当に今日は満足です」と笑顔を咲かせた。取材直後には、ツイッターでも「気持ちいいぃぃぃぃい」とつぶやいた。

 SP曲は「エンシェント・ランド」。憧れのアレクセイ・ヤグディン(ロシア)が金メダルを獲得したソルトレークシティー五輪(2002年)のエキシビション曲は、高校生の頃から自身の引退時に使用することを決めていた。「ヤグディン選手のような力強い滑りが(自分の)魅力だと思って滑った」という言葉どおりの男らしい演技だった。

 26日のフリーへ向けては「こんなにたくさんのお客さんの前で滑るのは明日が最後。ノーミスは厳しいと思うが、4分間、今日以上に気持ちを込める」と誓った。精神的支柱として3姉妹を引っぱってきた頼れる兄は「明日は何位でもいい。跳べても跳べなくても思い切りやるだけ、笑って終わりたい」と有終を飾るつもりだ。

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