紀平梨花、びっくり氷上片手側転!連覇へSP首位発進「すごくいい演技ができた」
「フィギュアスケート・全日本選手権」(25日、ビッグハット)
世界選手権(来年3月・ストックホルム)代表選考会を兼ねて開幕し、女子ショートプログラム(SP)は、18年GPファイナル女王で大会連覇を目指す紀平梨花(18)=トヨタ自動車=が79・34点で首位発進した。アクロバティックなプログラムを演じきった。2位は一昨年女王の坂本花織(20)=シスメックス=で71・86点。昨季を体調不良で休養し、2年ぶりの全日本出場となる三原舞依(21)=シスメックス=が69・55点で3位だった。女子フリーは27日に実施する。
力強く演技を終えると、紀平はうんうん、とうなずいた。コロナ禍で迎えた今季初戦。「ドキドキしたけどすごくいい演技ができた」。2位に7・48点差の首位発進を果たし、充実感があふれた。
冒頭のトリプルアクセル(3回転半)を着氷。ハイキックからの難しい入りで踏み切る3回転フリップ-3回転トーループの連続ジャンプで着氷がやや乱れたが、後半の3回転ルッツは成功した。さらに終盤、スピンからステップへとつなぐ場面で片手側転。大きな拍手が沸き起こった。
運動能力が高く、もともと陸上での片手側転は「得意」だったというが、氷上での難度は比べものにならなかった。最初はもちろん失敗した。「恐る恐る。氷はツルツルで苦戦した」と振り返る。
それでも「練習していくうちに、見せ場にできるようになった」。日々の鍛錬はもちろん、幼少期から体操をはじめ、さまざまな習い事にいそしんできたことも奏功。点数化はできない“大技”の完成につながった。
フリーで注目されるのが、実戦初成功を目指す4回転サルコー。朝の公式練習の感覚で投入を決めるというが「4回転のためにたくさんトレーニングを積んできたので、成果が出たらいいな」。大技の成功と悲願の連覇。その両方をつかみにいく。