大会最小156センチ、60キロ級の永山竜樹が重量級から殊勲星 柔道全日本選手権
「柔道・全日本選手権」(26日、講道館)
体重無差別で行われ、男子60キロ級で東京五輪代表補欠の永山竜樹(24)=了徳寺大職=が初出場。1回戦で171センチ、93キロの河坂有希(愛媛県警)と対戦し、6分11秒延長優勢勝ちを果たして、2回戦に進んだ。
永山は身長156センチ、体重65キロといずれも今大会出場選手の中で最小。自身より30キロ近く重い相手にしっかり組み合って内股や一本背負いを掛け続け、最後は延長戦で小外掛けを決めて「有効」を奪い、殊勲の勝利を挙げた。無観客開催だが、観客席の関係者もうならせた。
永山は男子最軽量の60キロ級で世界選手権では2大会連続で銅メダルを獲得している。右組みで、左右の担ぎ技、内股、捨て身技など抜群の身体能力から繰り出す技のキレは随一。東京五輪代表は逃したが、国際大会では無類の強さを誇り、世界ランク1位に君臨。全日本選手権初挑戦に際しては、「ずっと無差別級で試合がしてみたいと思っていた。小さい選手が大きい選手を投げるのが柔道の醍醐味(だいごみ)だと思うので、それを見せられたらいい」とコメントしていた。
体重無差別の全日本選手権は例年、重量級以外では前年の決勝進出者、世界王者(五輪王者)らに推薦枠が与えられていたが、今年は各階級の東京五輪代表、同補欠らにも推薦枠を拡大していた。
◆永山竜樹(ながやま・りゅうじゅ)1996年4月15日、北海道出身。4歳から柔道を始め、愛知・大成中・高を経て東海大に進学し、卒業後は了徳寺大職。17年から3年連続で世界選手権に出場し18、19年は銅メダルを獲得した。右組みで得意技は背負い投げ。身長156センチ。今大会での公称体重は65キロ。