高橋大輔「ほれ直した」「カッケーなと」パートナー村元が直前に負傷も2位発進
「フィギュアスケート・全日本選手権」(26日、ビッグハット)
アイスダンスのリズムダンス(RD)が行われた。今季シングルから転向後、初の全日本となる10年バンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔(34)は、カップルを組む村元哉中(27)=ともに関大KFSC=と出場。デビュー戦のNHK杯を上回る67・83点、RD2位でスタートした。首位は小松原美里、小松原尊組(倉敷FSC)で71・74点。
大きなミスなく演技を終えると、2人は抱き合って互いの健闘をたたえ合った。「朝の公式練習でアクシデントがあった。どうなるかなと思った状況だったけど、無事にミスなく満足いく演技ができたので安心した」と村元。高橋も「いつも以上にメンタル的に厳しかったが、前回のNHK杯から演技を比べると、自分たちとしてもよくなったと感じた。得点にも表れてよかった」と振り返った。
思わぬアクシデントだった。この日、午前の公式練習で、村元が左足を負傷した。プログラム終盤のツイズルで2人の足が引っかかり転倒。村元の左足の上に高橋が乗っかる形になった。「哉中ちゃんの左足の上に全体重が乗って、これはどうしよう。本当にやばいかもと思った」と高橋。氷にうずくまり、しばらく立てなかった村元も「一瞬の出来事だった。全体重が乗った初めての感触でやっばーいという感触だった」という状況だった。一度ホテルに帰り、トレーナーやドクターの見解を聞いた上で、直前の5分間練習で出場を決めたという。
緊張感を抱えた中での本番となったが、2人は終始笑顔で映画「マスク」の世界観をコミカルかつダイナミックに表現。NHK杯後は、2人の動きをより大きく見せるために変更を重ねてきたといい、2人の同調性も進化していた。
ピンチを乗り越え、2人の絆も深まった。「大ちゃんに心配かけないように、とにかく大丈夫だと言っていた。本番のときも大ちゃんが頑張ろうと声をかけてくれたので、今日は全力で大ちゃんを頼った」と村元。高橋も「哉中ちゃんの方が男前。カッケーなと思った。ほれ直したというのはある」と、足の痛みにも動じることなく演じきったパートナーの肝っ玉をたたえていた。