高橋大輔に負傷の村元感謝「100%サポートして守ってくれた」“悔しい”2位

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(27日、ビッグハット)

 アイスダンスのフリーダンス(FD)が行われた。今季シングルから転向後、初の全日本に臨んでいる10年バンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔(34)は、カップルを組む村元哉中(27)=ともに関大KFSC=とリズムダンス(RD)2位からスタート。FD84・03点、合計151・86点で総合2位だった。リフト時に高橋がバランスを崩す場面などもあったが、村元は「100%サポートして守ってくれたので感謝しています」と語った。

 優勝は小松原美里、小松原尊組(倉敷FSC)でフリーダンス103・49点、合計175・23点で大会3連覇を果たした。

 村元、高橋組は、バレエ曲「ラ・バヤデール」で荘厳な世界を表現したが、中盤のリフトで高橋が抱え上げた村元を降ろす際にバランスを崩して氷に手をつくミス。ツイズルでは2人の回転が合わなくなるなど、不安定な演技が続いた。

 前日のRDは、朝の公式練習で村元が左膝裏付近を痛めるアクシデントがあった。大きなミスなく演技を終えて2位につけたが、症状は回復せず、27日朝のFD曲をかけた公式練習では、振り付けの確認に終始した。村元はFDの本番には、左膝付近をテーピングのような物で固めて臨んでいた。

 演技後、村元は「朝の練習で思った以上に足に痛みがあったので、大丈夫かなと正直不安はあった」と明かした。その上で「初めての全日本で大ちゃんに不安を感じさせてしまったけど、RDとFDを通して大ちゃんが100%サポートして守ってくれたので感謝しています。まとめられてよかった」と話した。高橋は「午前中の練習で相当痛そうだなと不安や心配があったが、哉中ちゃんが何とかしますとすごく前を向いたので僕もサポートした」と振り返った。

 リフトでのぐらつきや、初戦のNHK杯と同じツイズルでのミスなどがあり、FDの得点は初戦のNHK杯より9・07点低かった。「本番では(サポート)しきれなかったが、この状況で全日本で滑る経験自体が次につながると思った」と高橋。厳しいコンディションを抱えながら、2日間を滑り抜いたことが収穫だったが、それだけでは終われない。「正直かなり悔しいけど、この悔しさを次に生かすしかない」と、来年は結果を目指す年になる。

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