桃田賢斗3連覇!死闘80分、全集中で逆転星 支えてくれた全ての人に“感謝の呼吸”

 ケガを乗り越えての3連覇を喜ぶ桃田賢斗(代表撮影)
 鋭いスマッシュを連発して逆転勝ちした(代表撮影)
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 「バドミントン・全日本総合選手権」(27日、町田市立総合体育館)

 各種目の決勝が行われた。男子シングルスは、23日に遠征先での事故の負傷から約11カ月ぶりに実戦復帰した桃田賢斗(26)=NTT東日本=が常山幹太(トナミ運輸)に2-1で、80分の熱戦の末に逆転勝ち。3年連続4度目の優勝を果たした。

 激動の1年を勝利で締めくっても、桃田に慢心はなかった。「きょうのレベルじゃまだ“柱”にはなれない」。大人気漫画「鬼滅の刃」で最強の剣士が得る称号に例えつつ、燃える心中を明かした。

 “全集中”の試合だった。桃田は鋭いスマッシュで最後の得点を決めると、優勝をかみ締めるように左手をがっちり握り、そのまま上に突き上げた。80分の死闘から解き放たれ、表情は自然と緩んだ。熱戦を演じた常山とは、ネット越しのハイタッチで健闘をたたえあった。

 何度も、何度も常山の“鬼”プレーに追い詰められた。第1ゲームは序盤から6点差をつけながら、18-15からまさかの6連続失点。第2ゲームも序盤から先攻を許すなど、猛攻に終始苦しんだ。それでも「技術、戦略関係ない。1本でも多く返す」。強気にシャトルをコートの四隅に散らし、走らされた常山は試合終了と同時にうつぶせに倒れ込んだ。「相手もだいぶ足にきてたと思いますし、気持ちで勝てた」と笑顔をにじませた。

 2020年は「本当に色んなことがあった」。1月、遠征先のマレーシアで乗ったタクシーで運転手が亡くなる程の凄惨(せいさん)な交通事故に遭った。「僕はバドミントンができますか?」。悲痛な声が口をついた。2月には右目眼窩底骨折が発覚し、手術を経た後は新型コロナ禍で大会もなくなった。

 11カ月を支えてくれた全ての人へ「心が折れそうな時も声援のおかげで頑張ることができた。感謝しています」と“鬼気迫る”プレーで恩返し。「“感謝の呼吸”はちょっと披露できたかな」と大好きな鬼滅に例えて笑った。

 21年1月には1年ぶりの国際戦となるタイ・オープンに挑み、来夏には出場を確実にする東京五輪が控える。復帰戦を3連覇で飾っても、「ホッとしているけど満足はしてない」。再び強さは証明した。次は日本の“柱”として、世界で躍動する。

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