羽生結弦、北京五輪枠取りへ「全力で」“原点”忘れず技磨き世界へ
「フィギュアスケート・全日本選手権」(27日、ビッグハット)
フィギュアスケートの世界選手権代表内定選手が27日に会場で会見し、日本のエース羽生結弦は「北京五輪へ向けた枠も懸かるので、全力で自分の役割を全うしたい」と話した。コロナ禍で2020年3月の同大会は中止に。開催に不安もあるが「全日本王者としていく世界選手権。日本人の一人として、胸を張って行動できるようにしたい」と誓った。
開催されれば、国際大会の出場は今季初。目指すのはもちろん4年ぶりの奪還だ。「ネーサン選手(米国)の動向は気になっている」と、大会2連覇中のライバルについて言及した上で「戦ってみないと分からないのが正直なところ」と羽生。今季世界最高得点をたたき出してはいるが、今季はGPシリーズを含めてISU非公認記録となっており「単純比較はできない」と楽観視はしていない。
初出場の鍵山に対して問われた際に「ものすごく大きな分岐点だった」と振り返ったのが、初出場だった2012年世界選手権(ニース)。SP7位から巻き返して銅メダルを獲得した一戦を「あの時の演技は一生忘れない。あの時のエネルギッシュさ、あの時しかできない勢いで、あの順位にいけた」と語る。
“原点”は忘れない。だからこそ、今の羽生結弦にしかできない戦い方も分かっている。「4回転アクセルだったり、このプログラム自体をどういうふうに進化させていくのか、深めていくのかが大切」。夢の大技完成を目指しつつ、円熟の舞いをより磨き、世界へと向かう。