紀平梨花が連覇!日本女子シニア初の4回転成功!安藤以来17年ぶり快挙達成

 女子フリーを終えガッツポーズする紀平梨花(代表撮影)
 表彰式で笑顔を見せる紀平梨花(代表撮影)
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 「フィギュアスケート・全日本選手権」(27日、ビッグハット)

 女子はショートプログラム(SP)首位の紀平梨花(18)=トヨタ自動車=が4回転サルコーを初めて決め、フリーも1位の154・90点をマークし、合計234・24点で2連覇した。日本女子の4回転ジャンプ成功は、2003年全日本の安藤美姫以来17年ぶり。日本スケート連盟はフィギュアの世界選手権(2021年3月・ストックホルム)代表を発表し、女子は紀平や2位の坂本花織(20)=シスメックス、3位の宮原知子(22)=関大、男子は羽生結弦(26)=ANA=らが名を連ねた。2022年北京冬季五輪の出場枠が懸かる。

 スーっと流れるような踏み切り動作から、宙に舞い、瞬く間に4回転。そして紀平は再び、氷上に舞い戻った。演技冒頭の4回転サルコーを成功。安藤以来17年ぶり、日本女子シニア初、日本女子2人目の4回転ジャンパーが誕生した。

 続くトリプルアクセル(3回転半)は回転不足の判定を受けたが、その他はミスなく演じきり、演技後は右手を突き上げてガッツポーズ。「一番決めたいと思っていた4回転サルコーがきれいに決まったのがうれしい」と喜びをかみしめた。

 演じるのは「Baby, God Bless You」。産婦人科医を描いた人気ドラマ「コウノドリ」のメインテーマだ。生まれてきた命にどんな試練や苦難が待っていたとしても、誕生を祝福するよ-。切なさや感動、愛を表現したピアノ曲。両手を握った祈りのポーズで始まり、演技を締めた。

 今季はスイスを拠点に練習を重ねたが、ここまで試合がなく「自分が成長できているのか、下がっているのか、ずっと分からないままだった。達成感を味わえないままずっとやるのはつらかった」。迷いも不安もあったが、目の前の練習を重ねていくことしかできなかった。「コツコツ」を貫いた。だからこそ演技後、こう言った。

 「今までの全ての行動が試合のあの一瞬につながってうれしい」

 21年3月の世界選手権では、世界トップを席巻するロシア勢との直接対決となる。全日本の裏で開催されたロシア選手権の点数と順位は確認しており「刺激になった」と紀平。かねて金メダルと掲げてきた22年北京五輪も近づいてきた。超ハイレベルな頂上決戦へ、闘志が燃える。

 大技を決め、自信の宿った表情で「一歩進めた気がする」と話した紀平。「(世界選手権が)開催されれば、SP、フリーともにこれ以上できないという演技ができたら」。4回転サルコーの成功は、力強い“宣戦布告”となった。

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