坂本花織2位「去年のリベンジできた」 紀平から刺激も
「フィギュアスケート・全日本選手権」(27日、ビッグハット)
女子はショートプログラム(SP)首位の紀平梨花(18)=トヨタ自動車=が4回転サルコーを初めて決め、フリーも1位の154・90点をマークし、合計234・24点で2連覇した。日本スケート連盟はフィギュアの世界選手権(2021年3月・ストックホルム)代表を発表し、女子は紀平や2位の坂本花織(20)=シスメックス、3位の宮原知子(22)=関大、男子は羽生結弦(26)=ANA=らが名を連ねた。2022年北京冬季五輪の出場枠が懸かる。
やりきった充実感に浸っていた坂本に、紀平の4回転サルコー成功の圧巻演技の報が届いた。
「うわッ。234点?すっご!」-。
自身の演技には納得だった。2季連続の使用となる映画「マトリックス」のテーマに乗り、氷上を疾走。冒頭のダブルアクセルからすべてのジャンプをきっちりと着氷させ、見事に世界観を表現した。連覇を狙った19年の全日本ではSP3位から、フリーで沈み6位に終わった。それだけに「去年の全日本のリベンジができた。それが一番うれしい」。フリー演技直後には右腕を振り下ろしたガッツポーズ。「今大会は笑う元気がなかったので。その中でやりきったのが出た」。自らの殻を破った手応えがあった。
そして、先をゆくライバルに最高の刺激をもらった。「さっき梨花(紀平)が4回転を降りるのを見ちゃったので。やらないと勝てない。自分のやるべきことをやりつつ、プラスアルファでできるようにしたい」。22年北京五輪へ、日本の元気娘はまだまだ殻を破り続ける。