常翔学園が花園100勝M3!伝統が生んだスピードスター・WTB中村6トライ
「全国高校ラグビー・1回戦、常翔学園76-0日川」(28日、花園ラグビー場)
常翔学園の伝統が、新たなスピードスターを生み出した。WTB中村が前半5分、まずはハーフライン付近からの独走で先制トライを決める。
同11、13分には野上友一監督(62)が「走って、取る。セオリー」という王道のトライを体現。さらに同16分はゴロパントをゴール内に蹴り込み、自身で押さえる技ありトライだ。後半にも2トライを加え、チーム12トライの半分を一人で稼ぎ「これだけ貢献できて、本当にうれしい」と笑顔を見せた。
悔しさを晴らした激走でもあった。前回は「鼻(の骨)を折ってメンバーに入れなかった」と中村。しかし、野上監督に言わせれば「ベンチプレス80キロあげられんかったから。そんなの、活躍させちゃいかん」と、もうひと頑張りを期待しての、愛のムチでもあった。
それで「火がついた」という中村は「小さい自分が貢献するには、走力」と、チームが練習する河川敷の堤防、約30メートルの坂道に4人のメンバーを立たせ、全力で駆け上がりながらそれをかわしていく練習に明け暮れた。
OBで7人制日本代表の松井千士(キヤノン)も鍛えた「常翔伝統の場所」で、立派なトライゲッターに成長した。あと3勝で大会通算100勝。その先にある6度目Vへ、猛ダッシュを止める気はない。