「大相撲初場所」（１月１０日初日、両国国技館）

　初場所で初のカド番となる大関朝乃山（２６）＝高砂＝が２９日、都内の部屋で稽古納めとなり、基礎運動、ぶつかり稽古で若い衆への胸出しなどで締めた。

　部屋の全員が集まり新たな師匠、高砂親方（元関脇朝赤龍）から「今年１年お疲れさまでした。来年もよろしくお願いします。頑張りましょう」とあいさつ。部屋頭の朝乃山が三本締めを行った。　例年、年末年始は故郷、富山に帰省するが今年はコロナ禍のため、初めて東京で過ごす。「違和感しかない。外出禁止なので部屋から出ないようにして、その分、しっかり体を休めながら。空いた時間は体を動かしていきたい」と、トレーニングを続けていく。

　１１月場所は右肩を負傷し、初の休場を経験。患部の回復には「肩も悪くはない。大丈夫。だいぶいいというか、けがした当初より肩を動かせる。相撲を取っていても違和感はない。大丈夫」とカド番となる初場所へ不安はない。

　１２月１８日から４日間参加した合同稽古では３月以来、他部屋の関取と稽古した。横綱白鵬（３５）＝宮城野＝には完敗したが、圧力も久々に体感できたのは収穫だった。「久しぶりの関取衆との稽古だったので、疲れもあったけど行って良かった。感触はだいぶいい。改めて関取衆との稽古は大事と思った。今、若い衆と稽古してるけど落ちてはないと思うので、これを継続して初日まで持っていきたい。関取衆と若い衆の違い。圧力もありますし、立ち合いからの流れもある。土俵際も感じました」と力を込めた。

　コロナ禍に揺れた２０年。自身は３月の春場所後に大関に昇進。一方で１１月場所は途中休場し、先代師匠（現錦島親方＝元大関朝潮）の定年に花を添えることができなかった。

　「３月では自分が大関とりの場所で数字は届かなかったけど、大関に上げてもらえて、自分自身の一つの目標が達成できてそこはうれしかった。５月場所が中止になり、７月、９月は大関２場所目で自分の相撲を取りきったけど、結果がうまくついてこなかった。１１月は休場と。最後の最後で悔しい結果で終わりました」と、振り返った。

　来年は優勝と横綱を狙う年。昨年５月の夏場所で初優勝し、米国のトランプ大統領から直接、表彰を受けてから、１年半以上が過ぎた。「あの優勝はたまたまだと思うんで、次はやっぱり実力で取らないと」と、意気込んだ。