高安 稽古相手は元稀勢の里の荒磯親方「いい稽古できました」

高安
重りを持ち、腕を鍛える高安(日本相撲協会提供)
2枚

 「大相撲初場所」(10日初日、両国国技館)

 元大関の小結高安(30)=田子ノ浦=が2日、都内の部屋で新年最初の稽古を行い、荒磯親方(元横綱稀勢の里)と三番稽古(同じ相手と続けて何番も取る)を25番取って、調整した。

 同親方は引退から2年がたっても、弟弟子のためにいまだ体を鍛え、強さを維持する。高安は最高の稽古相手と昨年12月26日から連日、番数を重ねてきた。

 「(12月)30日まで(稽古を)やってましたので2日空けて、体もだいぶ休まりまして、きょうもいい稽古できました。勝ち負けにはこだわらず。相撲の内容だけ見てきょうは取り組みました。立ち合いの当たりとか、まわしの取る位置とか、攻め方を考えて相撲を取りました。いい攻めができました」と、充実感をあふれさせた。

 同親方が現役の頃から実戦を積み、場所へ向けて仕上げるのが調整方法。「自分が満足いく攻めができると、いいイメージで連日できますから、自分で修正しながらですね。悪いところはパッと短時間で修正して反省しながら気持ちよく取るという感じ」と語った。

 大関から降下し関脇で迎えた昨年初場所は6勝9敗と負け越し。腰痛などけがを克服しながら、再び三役まで戻ってきた。「けがをケアしながら鍛えながら場所を追うごとに良くなってきて、順調に体をまた、以前より強い体を作ることできましたので、今のところ順調ですね」と、手応えは十分にある。

 初場所は最近5年連続で初優勝力士が誕生している。そんな中、高安はいまだ賜杯を抱いていない。21年の目標を問われると「やはり優勝でしょうね」とキッパリ。「1場所でも2場所でも優勝したいですね。それに尽きるんじゃないですかね。千秋楽まで優勝争いに絡んで、いい相撲、面白い相撲を取れれば結果がついてくると思います。まずは自分のいい相撲をしっかり15日間取ることですね。千秋楽まで場所を面白くできればいい結果が出ると思いますね」と気合をみなぎらせた。

 元日は部屋に力士が集まり、抱負を述べた。高安は「体に健康に気をつけてというところですね。やはり体に、けがに気をつけてもう一度上に上がるということで、決意を述べました」と、大関返り咲きも今年の目標。「元いた番付に近づけるように、戻れるようにということですね。三役ですから、しっかり結果を残していかないといけないですね」と、上だけを見据える。

 2月には第一子も誕生する予定。昨年7月に結婚した演歌歌手の杜このみ夫人は現在、里帰り出産のため札幌に帰省している。そのため正月は1人で過ごした。「年越しはもう、自宅で1人でカウントダウンです。この時期、外にも出られないんで、おとなしくしてました。(大みそかは)やっぱり紅白を見てますね。歌をいろいろ見たりとか」と、ゆっくり過ごした。

 愛妻がいつか紅白の舞台に立つことが2人の夢でもある。「そういう風になればいいですけどね。お互いがいい方向にいけばまた盛り上がると思いますし、一生懸命やりたいですね」と力を込めた。

 今は2人で子供の名前を考えているが、なかなか決まらない、という。まずはパパとして、初場所で結果を残し、妻子へ朗報を届けたい。「新年最初の場所なので、やはりいい結果を出して、気持ちよく。1年の最初ですから、気持ちいいスタートを切って」と、誓った。

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