芝田山広報部長 初場所無観客の可能性示唆 1都3県の緊急事態宣言要請で私見
「大相撲初場所」(10日初日、両国国技館)
日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が2日、政府に対し1都3県から緊急事態宣言発令が要請されたことを受け、電話取材に応対した。
昨年4月に同宣言が出され、同5月の大相撲夏場所は中止を余儀なくされた。今回、再発令となれば初場所への影響は避けられない。
協会としてはまずは政府の見解を注視する。「それを踏まえて協会はどう判断をするか。まずは執行部で話し合い、必要なら理事会となる」と、同部長は説明した。
同宣言下では初場所で予定する観客5300人規模での開催は困難になる。国の方針に従うのが大前提として、同部長は「無観客として、うちうちの中でやる形もある。やり方はいろいろある」と、私見として無観客開催の可能性を述べた。
協会は4日が仕事始め。国技館の土俵を作るなど準備は進めなければならない。「(開催を)もう2週間遅らせるということはできないからね。何とも厳しい。理事会をやるとなれば、どっちにしろ緊急になる。日にちがない。今の状況では難しい判断になる」と同部長も頭を抱える。
昨年大みそか、荒汐部屋では師匠の荒汐親方(元幕内蒼国来)、幕内若隆景、十両若元春、幕下以下8人が新型コロナウイルスに感染。床山1人を含め、計12人の集団感染が発生した。
せき、発熱、ぜんそくを持つ者もおり、「症状のある者は入院した」と同部長。ただ医療機関が逼迫(ひっぱく)しており、病院側の受け入れも、困難になってきているのが現状だ。同部長には「4月と変わらないくらい逼迫(ひっぱく)してきている」との報告もあり、新年になり、危機感は強まるばかりだ。