【東田哲也の観戦記】桐蔭学園に2020年Vの余裕、京都成章はロースコアなら
「全国高校ラグビー・準決勝」(5日、花園ラグビー場)
準決勝2試合が行われ、京都成章(京都)が伝統の守備力を発揮して24-21で優勝6度の東福岡(福岡第1)に競り勝ち、初の決勝進出を決めた。前回覇者の桐蔭学園(神奈川)は後半に地力を見せつけ、大阪朝鮮高(大阪第2)を40-12で退けて3大会連続8度目の決勝舞台に進んだ。史上最多の63校で争われた第100回記念大会決勝戦は9日午後2時5分から行われる。
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僅差になった京都成章と東福岡は、ボールキープで勝った京都成章が制しました。戦前は総合力で東福岡が上回っていると思っていましたが、激戦で引き分けた準々決勝・東海大大阪仰星戦の消耗は否めませんでした。
攻めなければ勝てないのですが、ノータッチキックになったり、無理なカウンターからターンオーバーされたりと、らしくないプレーがありました。前戦で負傷した選手も出場していたとはいえ、やはり万全ではなかったのでしょう。
桐蔭学園はターンオーバーが素晴らしく、特にラックでボールの上を乗り越えるターンオーバーが目立ちました。ハンドリングエラーも少なく、ミスをしないのも試合を優位に進めた要因です。
決勝戦は、総合力の高い桐蔭学園の優位を予想します。昨年は7度目の決勝で初の単独優勝でした。花園は最初の優勝までは難しいのですが、一度勝つと勝ち出すもので、今大会も余裕を持って勝ち上がってきています。
勢いに乗る京都成章はタックルが非常にいい。ディフェンスを生かしてロースコアに持っていき、相手の焦りを誘うことができれば勝機が見いだせるでしょう。21年は決勝まで3日間あるので、自分たちの強みを生かした戦い方を再確認するとよいでしょう。(六甲クラブ総監督、元日本代表WTB・東田哲也)