貴景勝、綱取りへ全集中「一日一日頑張る」 初日いきなり難敵・御嶽海と対戦

 「大相撲初場所」(10日初日、両国国技館)

 緊急事態宣言発令下で行われる初場所初日を翌日に控えた9日、初めての綱とりに挑む大関貴景勝(24)=常盤山=は両国国技館で行われた先場所の優勝額贈呈式に出席し、「集中していい成績を残したい」と意気込みを語った。優勝した11月場所に続き両横綱が不在。昇進には優勝するだけでなく、圧倒的な内容も求められる。この日、取組編成会議で2日目までの取組が決まり、初日は小結御嶽海、2日目に平幕の大栄翔との対戦が決まった。

 綱とりの重圧も、両横綱不在で結果を求められる立場も、そしてコロナ禍の中で漂う緊迫感も、すべてを受け止め、夢をかなえにいく。優勝額贈呈式後にコメントした貴景勝は「もう明日からなので。一日一日頑張って集中して、いい成績を残したい」と、静かに力を込めた。

 ここまでの調整は順調そのものだ。11月場所前に元大関北天佑の次女で元モデルの有希奈夫人と結婚。新婚で初の正月を迎えたが、休まずトレーニングを続けた。自身も「しっかり自分の満足いく準備はしてきた」と、自信をみなぎらせた。

 本来、壁として立ちはだかるべき白鵬、鶴竜の両横綱不在が続く中、11月場所は13勝2敗で賜杯をつかんだ。昇進に向けては今場所は先場所以上に結果と内容が求められる。伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「うかつにどうこう言えない。横綱ともやってないし、(先場所は)全勝優勝もしてないし」と慎重に言葉を選びながら、「どちらにしても言えることはレベルの高い優勝」と高いノルマを示唆した。

 異例の初日前日に行われた取組編成会議の結果、初日は過去9勝8敗の小結御嶽海と対戦。対戦成績ほぼ五分の難敵を突破し、未来を切り開く。

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