桐蔭学園、史上9校目の連覇 前半同点から後半3トライ!京都成章の守備崩した
「全国高校ラグビー大会・決勝、桐蔭学園32-15京都成章」(9日、花園ラグビー場)
桐蔭学園(神奈川)が史上9校目の連覇を達成した。初優勝を狙った京都成章に32-15で勝利し3度目の優勝を飾った。前半を10-10の同点で折り返したが、後半に3トライを重ねて、ディフェンスが自慢の京都成章を突き放した。今大会はシード校が1回戦から登場したため、桐蔭学園は史上初めて6勝を挙げての優勝となった。第100回の今大会は史上最多63校が出場して無観客で開催された。
前回王者が圧倒的な力で京都成章をはねのけた。ナンバー8佐藤健次主将、ロック青木恵斗(ともに3年)らタレントぞろいの桐蔭学園が、史上9校目の大会連覇を達成。無観客のスタンドをバックに超高校級軍団が熱い抱擁で喜びを分かち合った。
1年生からレギュラーだった佐藤主将にとって、3大会連続となる花園の決勝舞台。高校生活での有終の美を飾り「目標にしていた単独優勝ができてほっとしているし、うれしい」と素直に喜んだ。
コロナ禍に見舞われた特別な一年だった。実戦はもちろん、練習する機会さえも奪われた。本格的に活動再開できたのは7月以降。限られた時間の中、焦ることなく基礎練習を徹底的に繰り返した。
成果の一端が出たのが0-3の前半19分だった。青木がゴール直前のラックから右へ持ち出し、左中間にトライ。相手に体を浮かせられながら、力ずくで乗り越え得点した。「ああいうのを普段から練習でやっていた。それが結果に出た」とさらりと振り返った。
コロナの影響でミーティングの機会が増えた。チームは大会中の試合ごとに飛躍的な成長を遂げたが、ミーティングの内容も日に日に濃くなった。準決勝後の中3日は第97回大会の京都成章戦のVTRを基に意見を交わした。メンバー外も積極的に発言。キックではなく、自陣からの継続ラグビーで流れをつかむこの日のゲームプランは、チーム全員で組み立てたものだった。
準決勝翌日、6日のオフは3年生で宿舎近くの大阪天満宮を参拝した。佐藤は早大、青木は帝京大のように進路が決まっているメンバーだけではない。学問の神様に一般受験を控える部員の合格と大会連覇を祈願し、改めて結束を固めた。
東日本勢の大会連覇は第73、74回大会の相模台工(現・神奈川総合産)以来。西高東低の勢力図が続いていた高校ラグビー界に風穴をあけた。次回大会は3連覇が懸かる。「自分たちの代として、自分たちの色を出し、強みは何かをチームで考え、自分たちを超えてほしい」と佐藤主将。後輩たちに第89~91回大会の東福岡以来となる偉業を託した。