大栄翔が大関3連倒!朝乃山、貴景勝、正代撃破で総なめ111万円の荒稼ぎ
「大相撲初場所・3日目」(12日、両国国技館)
西前頭筆頭の大栄翔が会心の突き出しで大関正代も撃破し、朝乃山、貴景勝に続き、大関を総なめにした。初日から大関戦3連勝は2008年九州場所の若の里、2019年初場所の北勝富士に続き戦後3人目。次の大関候補の実力を見せつけ、乗り乗り全勝で首位を快進撃する。3大関は全滅となる大荒れ。かど番の正代は初黒星を喫し、綱とりの貴景勝は北勝富士に突き落とされ、3連敗で綱とりは絶望。かど番の朝乃山は小結御嶽海に押し出され、2敗目。三役以上で全勝はいなくなった。
大栄翔の進撃が正代も飲み込んだ。激しく当たって馬力勝ちし、怒とうの突き。相手をのけ反らせ一気に仕留めた。初日から朝乃山、貴景勝に続き、大関3連破を果たした。
3日連続、勝利インタビュー室に呼ばれ、「当たって腕が伸びたのが良かった。いつも通り取り切れた」と声を弾ませた。
今年の目標を「上ですね。上を目指して頑張る」と定める。出場最上位を総なめし、次の大関候補の実力を存分にアピール。「自信になる。どんな相手でも燃えるけど大関相手は違った気合が入る」と闘志で負けない。
もう「地味」とは呼ばせない。同学年に朝乃山、同じ部屋には人気の幕内遠藤がおり“華”では劣る。埼玉栄高の3年後輩、貴景勝にも先を越され、反骨心を燃やして着実に力を付けた。
昨年7月場所、小結に復帰し11勝。同秋場所は新関脇で5勝と沈んだ。だが先場所10勝と逆襲。上位相手に爆発力を見せつけた。3日目は8連敗中の鬼門だったが突破。17年秋場所以来の初日から3連勝で乗ってきた。気にしていた懸賞の少なさも今場所3日で37本(手取り111万円)と荒稼ぎした。
緊急事態宣言下、新型コロナウイルスの影響で関取16人が不在。3日目で三役以上の全勝が早くも消えた。5年連続で初優勝者の出ている初場所は今年も大荒れ必至。「新年でいい相撲を取り、いい結果が残せたら。立ち合い角度がいい。迷いなく出られている。こういう相撲を最後までやっていく」。大混戦の賜杯争い、大栄翔が主役に躍り出た。